昨日のインバル=都響による
ブルックナー7番の第3楽章以降が、
耳について離れません。

さて、「愛ブルックナー」を勝手に標榜する身分から、
ブルックナー名演の条件をあげておきましょう

①コチラの体調が万全であること
作品が長いため、身体の具合が悪いとキツい。
2杯以上のアルコールもご法度(※1杯なら可)。
眠気も大敵。

②指揮者が功名心に走らないこと。
そしてフォルテッシモは鳴らしきること。
→だから、若い指揮者より抜け感のある長老指揮者がいいのかも

③指揮者が勝手に譜面をいじくらないこと
また、こねくりまわさないこと
→世評は高いもののスクロヴァチェフスキが好きになれない

④オケはブルックナー演奏が好きなこと


⑤オケにも功名心などの俗な欲求がないこと

⑥オケにスタープレイヤー不在でも満たされることがあること
→ややローカルなオケでも名演は生まれます

⑦弦楽器はアンサンブルがトレーニングされていること

⑧木管は、ソロでは重要。
特にフルートとオーボエはデリカシーに富むこと

⑨ホルンをはじめ金管が吹き散らかさないこと

⑩ティンパニが上手いこと
→ミュンヘン・フィルやゲヴァントハウス管のブル8など最高でした

⑩オケに体力がありバテないこと。

⑪オケのダイナミクスレンジは広ければ広いほどよい

⑫聴衆も音楽的であること
→最後の音が終わってもすぐに拍手してはいけません

⑬ライヴならサントリーホールであること

これくらいでしょうか(笑)

マーラーとよく並べ立てられますが、
決定的な違いは、
マーラーは
「オケが上手くないと話にならない」
「個人技も大切=スタープレイヤーが必要」
「精神論の前に技術論」
「指揮者に功名心があるほうがいい」
「俗欲が演奏者にあってもいい」
「感情移入してもいい」
など。
また、代表格指揮者は、
ワルター、クレンペラー、バーンスタイン、ベルティーニ、ノイマン…

ブルックナーは、
「オケが下手でもなんとかなることもある」
「技術論の前に【気持ち】」
「個人技よりチームワーク」
「演奏者は無欲であって欲しい=音楽に捧げる」
「感情移入はご法度」
など。
代表格指揮者は、シューリヒト、クナ、チェリ、ヴァント、ベーム、朝比奈、スクロヴァチェフスキ…

こう考えると、
マーラーとブルックナーは対局。
かつての指揮者に両方を得意としている人が
少なかったことも理解できます。
但し、イタリア系指揮者のみやや系統が違い、
ジュリーニ、アバド、シャイー、シノーポリなどはどちらも積極的です。
また、現代の指揮者は「どちらも」が多いですね。

これを踏まえた上で、
次回は「ウィーン・フィルのブルックナーにハズレなし」を取り上げたいとおもいます。