読売日本交響楽団 第511回定期演奏会

モーツァルト:交響曲第34番
マーラー:交響曲第4番

管弦楽:読売日本交響楽団
ソプラノ:キルステン・ブランク
指揮:上岡敏之
(2012.1.25 東京サントリーホール)
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先日の新日本フィルに続き、
在京オケ初聴シリーズ第2弾は、
こちらも人気指揮者を迎えての
読売日本交響楽団。
なぜ今までこのオケを聴いて来なかったかは…、
勘のイイ読者の皆様はおわかりですよね!?(爆)
ヒントは冠名にあります。

それにしても、
マーラーのこの作品に対して、
無理矢理の副題「大いなる喜びの讃歌」と 呼ばれること、
さらにその副題がプログラムに書かれることに、
違和感を感じ得ないのは私だけでしょうか?!
作曲者自らがつけた訳でも、
「未完成」や「運命」のようにそのことによりファンを獲得することに寄与している訳でもない、
この通俗呼称、やめるべきでは?
マーラー1番を「巨人」と呼ぶのも嫌なので、
この4番や3番、7番辺りから正すことを
ご検討くださいね、読響さん(だけの話でもありません)。
巨人交響楽団、略して巨響と呼ばれるのもいやでしょ?(爆)
(答を言ってるし…(笑))
(※少なくともマーラーの3、4、7番にある副題は
まだマーラーが一般的なクラシックファンに広く聴かれているとは言えなかった時代に、
レコード売上促進の為にレコード会社が勝手につけた
我が国だけの呼称です。
マーラーが根付いた、また、国際的・コンプライアンス的観点からみても、今の時代なら排除すべき呼称だと思います。)

脱線し過ぎました(笑)
肝の演奏会の話にもどします。

まずはモーツァルト。
第一楽章ではやや弦楽器のバランスが悪くきこえましたが、
その後は上り調子。
第2楽章なんかは、途中ブラームスのように聴こえる低弦楽器がすばらしかったです。
そして、緊張を強いたげる上岡の指揮。
いいんではないでしょうか。
退屈することなく、あっという間に終わりました。
この曲、思えば昨年WPHでききました。
その時の弦楽器の空気を漂うような軽やかさが欲しくなりましたが、
ここは在京オケ、
リスナーとして欲張りはいえません。
弦楽器の厚みは某オケとは格段に違い、
まずは安心。

そして、後半のマーラー。
予想通りインテンポで第一楽章は進むも、
至るところでテンポの揺れ、
上岡のピアニッシシモが要求され、
それに応えるオケ。
木管はやや粗もありましたが
金管もプロとしての水準以上。
中でも弦楽器のデリカシーに富んだピアニッシシモに好感です。

第2楽章も同様、
デュナーミクの自在さ、
ピアニッシシモの美しさに好感。

しかし、第3楽章では、
必要以上のスローテンポ!
予想通りの展開にややあざとさ、
そして、
この指揮者の音楽に飽きて来ました。
傾向は今までに同じ。
だから、仕掛けがバレる。
もっとふつうにやった方が、
マーラー、
そして、ウィーンの音楽であるこの作品を
浮かび上がらせ、気付かせることができたのでは?

聴きながら思ったのは、
このピアニッシシモへの飽くなきチャレンジこそ、
先日のハーディングがやりたかった、
でもオケが付いていけなかったことに同じでは?
そして、この作品こそWPHで聴いてみたいな、
そう考えてしまってから、
やや興ざめ。

フィナーレでは、
歌手とオケのバランスが悪く、
上岡か歌手に向かって顔を向けるも、
最後のほうでは歌手が鬱陶しそうにしていたのも気になりました。

結局はクライバーのパクリの指揮ダンス指揮者に思えた部分も多々あり…。

ん~、よくわからない指揮者です、この人。

オケは先日の酷評したものと比べ、
安心して聴いていることができましたが、
指揮者ばかりが目立ち、
プレイヤーは厳しい仕事の割には
報われるどころか、
限界をさらけ出された感じすらします。

上岡さん、
あんたばっかり目立ったら、
そのうち共演してくれるオケが居なくなるのでは?
と心配になります。
もう少し大人になってほしいですね。

オケはよく頑張っていました。
管もイイ感じ。
特にオーボエ。
第3楽章のあのテンポで、よくやったと思います。
報われませんでしたが…。

読響、初体験でしたが、
別の指揮者なら…、と思わせてくれました。
次回はヴァンスカのシベリウスです。