山形交響楽団 第212回定期演奏会
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調
ブルックナー/交響曲第6番 イ長調
指揮:飯森範親
ピアノ:小川典子

(2011、4、16 山形テルサ大ホール)


今年度初の定期、

私自身初の年間指定席、

そして、震災後初のライヴ、

といろんな思いが交錯するなかでの演奏会。

加えて、昨年から鬼門のブルックナー6番!

ウィーン・フィル&サロネンに裏切られ、

都響&インバルはどうしても都合が付かず断念、

言ってしまえば3度目の正直(笑)

今回も、「もしや」と脳裏をよぎったのですが、

無事、演奏会が行われました。


まずは、マエストロ、オケの皆様、事務職の方、

そして関係者の皆様の尽力に感謝です。


そんな念願が叶い、うれしい嬉しいブル6初体験。


しかし、いきなり痛恨の・・・・!!


私、プログラムを間違って記憶していました。

コンチェルトのナンバーです。

1番と思い込んで、予習していたら、

これまた、ほとんど記憶にない2番とは!?(笑)


昔、ヤンソンス&オスロフィルの来日公演に行ったとき。

メインがショスタコ5番と思い込み、

中学生だった私は、バンスタNYP東京ライヴ 盤で必死に予習して、

音が鳴り出すや「?????」。

お馴染みの「新世界より」だったという苦い思い出が走馬灯の如く・・・(笑)



まあ、しかし、そんなこんなですが、ベートーヴェンですから、

刷り込みが無くても楽しめます。


んが、今日は、そうはいかず・・・・。

小川さん、初めて聴いた奏者ですが、

すばり、さっぱりでした。


終演後の聴衆の皆さんも、どこか冷ややかな反応でした。


さあ、気を取り直して、メインディッシュ、

お待ちかね、ブルックナー6番です。

この曲、ブルックナーの大曲に隠れてどうしてもマイナーなイメージで捉えられがちですが、

いやいやどうして、私は一押しで、大好き!

録音も現役盤ではすくないのですが、それでも、現在では20音源以上あります。

もう、迂闊に刷り込みをしないために、

暫くは封印していたのですが・・・・。


その封印効果も虚しく、

これまた、さっぱり・がっくり。


オケ自体は悪くはありません。

むしろ、木管のチームワークは良いし、

そして、何よりも金管は好調維持、

ホルンの八木さん、トランペットの井上さんという、

私の中での「山響センターラインの要」(平たく言えば、二塁手と遊撃手です)のお陰で、

大きなミスもありません。

むしろ健闘です。


国内オケでブルックナーを聴くと、

金管がとちりまくって台無し、って演奏会もありますが、

今日は、そんなものはない。

そういった意味では、結構なレベルなんですよ。


しかし、しかし、細かいところが気になってしょうがない。

弦楽器のトッティ奏者からは、かなり変てこな音が散見され・・・・。

ん~、プルト後方までいってしまうと、技術的なことが気になります。

ティンパニも決まりきらない・・・・。

フルートからも、ブレスの変てこな音・・・・。


聴衆のモゾモゾ動く音。。。。

「サントリーのお客さんならここまでのことは無いぞ!」と(笑)

(山形テルサ大ホールの音響はいいです)


そして、何より、

音楽からウネリが無い!!

テンポがいくらか早く、

アダージョでは明らかに音が上滑りしていました。

ど素人の私ですが、「そこは右手で拍ではなく、もっと左手で表情をつけて!」とか

「50歳の初老の男性が、辛いことがあったときにトボトボ歩くようなテンポで!」とか・・・。


また、もっとパウゼを作ってほしかった!

次から次へと音を紡ぐような演奏でした。

さらには、いたるところで。

「そこはティンパニをガツンと叩かせて!(そうです、先月のゲヴァ管&シャイーのように!)」

と指示したくなることも度々・・・・。


ん~、悪くはありません。

しかし、感動とは程遠い・・・。

いや、良いところに目がいくよりも、

欠点ばかりが目に付く・・・。


昨秋から、世界のトップオケの生演奏に接しすぎていたのかも知れません。

あれだけの短期間に、私があのクラスのオケのライヴに接したことはありませんから・・・。

ウィーン・フィルにコンセルトへボウ、ロンドン交響楽団、

そして、3月もシャイー&ゲヴァントハウス管弦楽団に圧倒されましたからね。


また、CDでばかり研究してしまっていたこの楽曲。

「ここはこうして欲しい」という独りよがりな

妄想CD病を患ってしまっているようにも思います。

自分自身のコンディションやメンタルの問題=自己責任。


つまり、オケや指揮者が悪いわけではなく、

自分自身のコンディションの問題ではなかったかなと思います。


こんな症状の特効薬は、やはり「ライヴ」でしょう!

生演奏に接せれる喜びを、そして有り難味を

帰宅後、ようやく思い起こすことができました。


今日は、自分自身が、ニュートラルに戻る良い機会だったようです。


来月はミンツ!

それまでには、コンディションを整えたいと思います。


マエストロ&山響の皆さん、ありがとうございました。


あ~、そうそう、日付が変わったので、今日ですが、

4月17日(日)も山形テルサにて16時より同じ演目があります。

可能な方は、是非、聴いてみてください。

音楽の力で、いろいろと見つめ直せたり、勇気をもらえたり・・・

震災以降、色んな部分で気持ち的に落ち込みがちな最近、

音楽から、そして、マエストロや山響の皆さんから、

何かのきっかけやヒントをもらえる!!そんな気がします。

音楽の力は偉大です!!

がんばろう!東北!!