レナード・バーンスタイン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1984年2月~85年11月、ムジークフェライン、デジタル・ライヴ録音)
おっさん、また、シューマン!?
と今度こそ突っ込まれそうですね(笑)
確かに、この1ヶ月で、エッシェンバッハ、ハイティンク、そして今日ですからね。
でも、ま、まあ、聞いてくださいな(笑)
震災以降、マズアのブルックナー全集は例外として、
どうも大曲にチャレンジできないんです。
聴いている最中に、地震(=余震)そのものが来て少し動揺したり、
携帯の緊急地震速報が鳴って、臨戦態勢を整えたり・・・・。
たとえば、ブルックナーの5番のフィナーレ。
もう少しで、金管のコラールだ!
たとえば、ブルックナーの8番のアダージョの最後の一山、
たとえば、マーラーの2番のフィナーレの合唱が入る直前の神秘的な場面、
そんな時に、途中聴きができない私は、
緊急地震速報が鳴ったら、そこで、一旦、リセット。
中には、突然停電だってあります。
そうなってしまうと、
再度、第一楽章に戻らないとならない。
正直、そこまで気力が持続できる演奏ばかりではないもので、
新たな盤によるブログ記事へのチャレンジができないわけです(笑)
そのようなことから、
私の中心レパートリーであるシンフォニーの場合、
どうしても、再チャレンジのリスクの低い、
30~40分程度の曲を聴く機会が圧倒的に増えているのです。
とりわけ、シューマンは、ほぼ全ての演奏で、
1曲あたり30~40分の条件を満たしており、
最近はホントによく聴きます。
しかも、あまり能天気な作品ではないので、
今の自分自身の気分にも合うんです。
そんなことで、取り出した当盤。
決して嫌いな演奏ではないのに、
どうしてか余り聴き返すことなく、箪笥の肥し化しておりまして、
この機会に聴き返してみようとなったわけです。
この4曲を全曲聴き通すのに、
1週間掛かりました。
緊急地震速報が数回、
内、1回は地震による停電を伴いました。
後は、途中で気持ちよくなり、居眠り・・・・などです。
しかし、演奏は、どうして私がお蔵入りさせていたのかがわからないくらい、
素晴らしい全集です。
バーンスタインの、遅い場面では、気持ちを込めてゆったりと、
快活な場面では、明るく歌いながらオケを開放させます。
シューマン特有の、躁鬱な表現が見事です。
中でも序奏を伴うような、1番や4番といった作品における
場面転換がものの見事に嵌っています。
シューマンの交響曲で、
厚塗りなくらい塗りたくったオーケストレーションが
嬉しいくらいに響きます。
そこには嵌った時には無類の音楽性を発揮するWphの寄与によるところも大きいでしょう。
柔らかい弦楽器に、しっかりとそれを支えるコンバスとトロンボーンの響き。
極めてロマン的な薫りの漂う木管群、
効果的に鳴り響くウィンナ・ホルン。
そして、高音が伸びやかなトランペット。
Wphの良さを満開に咲かせた、
音楽のセレクトショップ的名演奏といえるでしょう。
兎に角、実がギッシリと詰まった味の濃いシューマンです。
ロマンチスト・シューマンとバーンスタインのこれまたロマン溢れる表現力、
そしてウィーン・フィルの美しく、そして類まれな音楽性、
これら三者の長所が一体になった全集です。
とりわけ、1番と3番が気に入りました。
それにしても、このコンビは、音楽的呼吸がジャストフィットしていますね。
なぜ、こんな素敵な演奏を、
ほとんど没同然に扱っていたのか、
自分でも良く判りませんが、
皆さんもお持ちでしたら、是非、再度取り出して聴き直してみてください。
以上、今日は、シューマンとバーンスタインのススメ、でした(笑)