ワーグナー:歌劇『ローエングリン』全曲
ローエングリン:ジェス・トーマス
エルザ:アニヤ・シリヤ
オルトルート:アストリッド・ヴァルナイ
テルラムント:ラモン・ヴィナイ
国王ハインリヒ:フランツ・クラス 他
バイロイト祝祭合唱団(合唱指揮:ヴィルヘルム・ピッツ
バイロイト祝祭管弦楽団
指揮:ヴォルフガング・サヴァリッシュ
録音:1962年7月、8月(ステレオ、バイロイト祝祭歌劇場ライヴ、拍手入り)
(~全33枚組ボックスセット、バイロイト名演集より~)
オーケストラの来日公演が
直近5ヵ年の中で
2007年と共に地味な印象の今年2011年。
(2007年は、ウィーン・フィルハーモニー・ウィークも開催されず涙)
しかし、オペラとなると
ゲルギエフとマリンスキーにはじまり、メータ&フィレンツェ、
豪華歌手によるMET、そして秋のバイエルン国立歌劇場など充実しています。
その中で、綺羅星の如く輝くのが
今日ご紹介する演目、ワーグナーの「ローエングリン」であります。
というわけで前向きに捉えて、
楽劇はもとより、オペラ全曲の生演奏に接したことのない私にとっては
またとないチャンス、というより、「隙」なわけで・・・(笑)
オケは在京のN響ですが、
話題のアンドレス・ネルソンス指揮、バイロイトの常連D・スミスなどによる
東京春の音楽祭!!
こちらは、良席を確保できたことで、緊急参戦決定(笑)
イコール、演奏会形式とはいえ、初のオペラ全曲演奏のライヴです、祝!!(笑)
そして、秋は、ヨナス・カウフマン!!
と彼の地元・バイエルンオペラの来日公演。
カウフマンのテノールとは思えない(?!)野太い声には
好みが分かれそうですが、私は嫌ではありません。
しかし、6万円弱のチケット代は流石に高い!!
加えて、東京文化ではなく、NHKホール・・・・(涙)
ということで諦めました・・・・(笑)
そんなこんなで、今日は、ワーグナーの「鶴の恩返し」を聴きます(笑)
いや、失礼、「逆・鶴の恩返し」でしたね(笑)
いやいや、「ローエングリン」を聴きます。
「ローエングリン」はこの盤しかもっていません!!(涙)
しかし、この作品、聞き所は沢山ありますよね。
第一&三幕前奏曲に、エルザの入場行進、
婚礼の合唱、そして、後半のローエングリンの独白の場面・・・。
しかし、私のツボは、それらではなく、
第三幕第二場の冒頭における進軍ラッパの場面です。
この盤では
流石は名手ぞろいのバイロイト!!
3時間20分程度もかかるこの作品のラスト30分に出てくるこの場面。
奏者にとっては、かなり厳しい条件にも関わらず、
どのパートも破綻なく弾ききっています!!
スゴイことですよね。
また、その破綻がないことだけでは感動はできません。
むしろ音楽性の方が大切です。
しかし、ここにみるファンファーレは、
「おっ!これぞワワーグナー、これぞドイツっ!!さすが、バイロイトっ!!!」と、
野太く、引き締まった、芯のある響きに惚れ惚れしてしまいます。
また、この演奏における歌手もさすがで、
トーマス、シリヤも立派ですが、何といっても悪女・オルトルート役のヴァルナイ!!
最後半におけるヴァルナイの絶唱、というより絶叫は鳥肌モノです。
いや~、他の演奏を知りませんので、あまり偉そうにはいえませんが、
若き日のサヴァリッシュの名演奏ともいえましょう。
やっぱり素晴らしい演奏、そして作品ですね。
そして、そうして、僕は、再び頭を巡らします。
断念を決意した(はずの)「バイエルン・オペラ」への憧れ(笑)
ドイツ的な金管楽器を擁するオケに、
野太い声がワーグナー的(なような気がする)テノール・カウフマン、
そして、オルトルート役は、現代きってのワーグナー歌手ヴァルトラウト・マイヤー。
価格やホール、前衛的解釈による演出、といったネックが目に入らなくなってきました(笑)
どうしましょうかね。
しばらく逡巡させながら、検討します・・・・・(笑)