・交響曲第4番
・悲劇的序曲
リッカルド・ムーティ指揮
フィラデルフィア管弦楽団
(1988.10、フィラデルフィア・メモリアルホール、デジタル録音)
昨日のレヴァインによるマーラー5番に続き
今日は同じフィラデルフィア管弦楽団でもムーティ指揮によるブラームスを聴きます。
ここではレヴァインのマーラー5番とは全く違い
ヨーロピアンなしっとりとした、
それでいて華麗なサウンドが体感できます。
ブラームス演奏に必須の低弦の土台がしっかり築かれており、
そこに各楽器のバランスが絶妙にコントロールされています。
さすがムーティ。
ブラ1とは違い特有のカンタービレというよりアウフタクトに重きを置いた
やや強引な曲運びが目立ちますが、
イタリアオペラさながらの劇性を表した面白い演奏です。
あるいは、フィラ管時代の、意気がっていたころのムーティらしい演奏ともいえます(笑)
そのあたり、好みが別れるところでしょう。
(個人的には1番のほうがオススメで、2・3番は未入手です)
しかし指揮者に合わせてサウンドが作れる・反応できるところに
このオケの一流たる由縁を感じます。
この盤では兎に角、オケが素晴らしい。
録音状態もよく
指揮者の違いによるオケサウンドの違いをわかり易く楽しめる好適な一枚です。
因みに、カップリングの「悲劇的序曲」も
ブラ4とまったく同傾向の演奏です。