マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
クラウディオ・アバド指揮
シカゴ交響楽団
(1980年シカゴ・オーケストラホール、ステレオ録音)
やっと見つけたオリジナル・ジャケットによるアバドCSOとのマラ5。
夏休み、中古店探し最大収穫のうちの一枚です。
しかも、帯付き国内盤美品で600円!!??
いいんですかっ??いいんですっ。(川平慈英風)by店主
とは言わなかったものの(笑)
良心的な価格設定に感謝。
仙台の某中古店なぞ、廃盤とかオリジャケってだけで
確実に新品定価以上の値段が付いていますから。
これで、この鳥羽模様のアバドのマーラー旧録音、
1、3、4、5、7、9と揃い、6はギャレリアシリーズを所持していますので、
余すところ“復活”だけになりました。
もちろん6番もこの“鳥羽ジャケ”でみつけたら即決しますけども・・・。
このデザイン、好きなんですよね~。
さて、アバドは90年代にベルリン・フィルと再録音していますので
いうなれば旧盤です。
第一楽章のトランペットのソロ
(このどこかあっけらかん、ともした凄い安定ぶりはMR.シカゴ響ともいうべきハーセスでしょう)、
スケルツォでのソロ・ホルン(クレヴェンジャー?)など
いたるところでシカゴ響らしいヴィルトーゾぶりを聴けます。
また、アダージェットでは、新盤よりもじっくりと歌い上げており、
個人的にはコチラのようなテンポが好みです。
フィナーレのコーダでは、
アバドにしては珍しく(?)煽りまくりの加速で面白いです。
部分的には上述のように面白いところもあるのですが、
全曲を通してみると、どこか見通しが悪い、といいますか
ギクシャクとした解釈のようにもみえます。
しかし、この時代のDG録音のCD化処理の拙さ(特にアバドのマーラー旧盤にみられるのですが)に
起因するところもあるかもしれません。
兎角、ダイナミクスレンジが狭く、ffをもってしてもガツンとこない、
弱音や高音がいかにも“デジタル処理しました”と言わんかばかりのシャリシャリ感で、
音量を上げても、部屋がマーラーの音宇宙に満たされることはありません。
そういう意味では、後年のベルリンとの新盤の方が
年齢と経験を重ねた構成の巧さと録音のまともさで軍配が上がります。
ある意味、アバドらしいのは新盤かもしれません。
ショルティ&CSOの、同じくアナログ時代のマラ5と聴き比べも面白いですよ。
(ショルティ盤もデッカにしては録音が・・・・)
また、これはレコード会社にお願いなのですが、
ソロパートの多い曲では、
それぞれのソロ奏者を、ライナーノーツにしっかりクレジットして欲しいのですが。。。。
例えば、マラ5ならtrp、hrnなど・・・。