山形交響楽団 第207回定期演奏会
ベートーヴェン:カンタータ「静かなる海と楽しい航海」 OP112
ブラームス:運命の女神の歌 OP89
ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 OP55「英雄」
(ベートーヴェンの使用楽譜はブライトコップフ版)
指揮:黒岩英臣 合唱:山響アマデウスコア
(於:平成22年8月4日 山形テルサ大ホール)
今更ながら、第2稿です(笑)
今回のプログラム、前半は、プレトークでも話がありましたが、
滅多に演奏されない、ライヴで接せる機会など一層希少な2曲です。
実際、ベートーヴェンのカンタータなんかはアバドWPHがDGで録音していますが
私も聴いたことがありません。
ブラームスは、辛うじて、アバドBPOのDGブラ1にカップリングされていますので
数回は聴いたことがありますが、それでも数回です・・・。
実は、山響FC特典を利用してゲネプロ見学をさせていただきました。
当日2時半より、たっぷり1時間半。堪能しました。
合唱プロでは、途中止めてマエストロから指示というシーンが
数回ありましたが、エロイカは、各楽章通しでした。
コーラスにも「本番まで少し時間がありますから思いっきり歌ってください」と先生から指示。
正直、ベートーヴェンのカンタータは初聴なので、
予習、ということだけでもありがたかったです。
「エロイカ」では、黒岩先生もノリノリで、
指揮者椅子から立ち上がりっぱなしの熱いタクト捌きで
ゲネプロとは思えない音楽にしびれました。
指示の内容ははっきりとは聞き取れなかったですが、
ホルンの八木さんには「ほんと素晴らしい」と賞賛、
ゲストチェロの上森さんにもなにやら賞賛の言葉を掛けられていた様子で
「チェロ・バスもっと強く」とか「しっかり刻んで!」といった指示がかけられていたのでしょう。
たしかに、ゲネでは、ホルン3発ともに絶好調でしたし
チェロ・バスの低弦をガシガシ・ズンズン強調され、本番に大いに期待が持てるゲネでした。
いや~、これだけでもかなりお腹一杯になりました(笑)
そして、本番。まず前半の2曲。
ゲネとの比較にどうしてもなってしまいますが、
オケと合唱のまとまり具合・完成度では、やはり本番が上だったと思います。
しかし、本番では聴衆で埋まる分、音が吸い取られるのでしょうか。
それとも安全線を狙ったのでしょうか?(私の座席位置はゲネと左右対称になっただけです。)
真偽のほどはわかりませんが
心なしか、「思いっきり歌う」という点ではゲネの方が良かったかもしれません。
後半の「エロイカ」。
演奏内容については、先日の当ブログ「山響ー第1稿」の通りで、
ゲネプロ同様、
最近に主流の、あっさり・サラサラ・音軽のものとは正反対の
腰の据わった、十分にタメと粘りのあるベートーヴェンを堪能できました。
冒頭の和音2発は、淡々としたものなのですが、
第一主題から、もうクロイワ・ワールド!
本番フィナーレでは、ホルンが少しバテ気味だったように思いますが、
第一楽章のソロや、スケルツォの「名所」であるトリオの部分のホルン三重奏などはお見事でした。
前半の合唱曲同様、本番ではいささかまとまり重視だった気もしますが、
圧巻でした。立派な「エロイカ」でした!!
2・3人からブラボーの掛け声もありましたね。
黒岩先生には、もっと山響のステージに立って、ドイツモノ、やってもらいたいですね。
シューベルト「グレイト」やブラームス4番、ベートーヴェン5番など王道プログラムを!!
しかし、これはもう、私自身の責任です。
咳を抑えるのに必死でした(涙)
喉の引っかかり・イガイガが・・・・・(涙)
しかも、ハンカチを休憩時間にズボンのポッケ奥にしまっていたものですから・・・・。
今回は携帯電話などもなることなく、パンフレットを落とすような音も余り無く、
拍手もしっかり残響がきえてから、という比較的マナーが良かったお客様だっただけに・・・・、
悔やまれます。
コンサートには体調管理も大切であることを改めて思い知りました。