・ アルプス交響曲
アンドレ・プレヴィン指揮
ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
(1989年デジタル、ウィーン・ムジークフェライン)
夏になると聴きたくなるんです、
アルプス交響曲。
巨大編成のオーケストラの音雫が部屋を満たす爽快さと
曲名から連想させる壮大さがそんな気分になるのでしょうね。
この曲のファーストチョイスに選んだ盤です。
高校生の時です。
当時このコンビのR.シュトラウス作品を好んで購入しておりまして
毎年夏のお楽しみでもありました。
(日本語解説は故志鳥先生!!)
また発売当時、超優秀録音盤として持て囃されました。
いま聴くと、もっと音のいいディスクはありますが、
それでも不満はありません。
そんな言わば思い出のディスクです。
演奏は、例によってプレヴィンは余り個性を出さず
WPHの美点を上手く引き出しています。
WPHのR.シュトラウスって
このオケならではの演奏ができるんですよね。
艶めかしい弦の音に、レンジの広い金管、
そしてR.シュトラウスの18番(←ホルン奏者の子らしく父親の影響?!)、
ふんだんに盛り込まれたホルンパートだからこそ一層生きてくる“ウィンナ・ホルン”の咆哮。
もうWPHのR.シュトラウス演奏には、
余り指揮者が捏ねくりまわして個性を主張するより
要点だけ伝えて、後はオケの裁量にお任せして指揮者は交通整理に徹してほうが
よっぽど成功すると思います。
例えばそうですね、
最近の指揮者陣でいうと、ハイティンクやメータなどはいいでしょうね。
(昨年のメータによる来日公演でも英雄の生涯を聴きましたが、素晴らしかったです)
でも、ティーレマンなんかはWPHとR.シュトラウスのディスクを出していますが
ドレスデンとやったほうが成功すると思います。
FWメストは、既存のディスクはアマオケですからね、プロオケならどうなのでしょう。
もしかすると、カラヤンもそのあたりをよく理解していて
晩年にウィーン・フィルに再度大接近した際も、
R.シュトラウスはベルリン・フィルとの再録音を選択したのでしょうかね。
そんなこんなで、プレヴィンのアルプス交響曲、ではなく
ウィーン・フィルのアルプス交響曲を堪能できます。
実は、プレヴィン、1983年にEMIにてフィラデルフィア管と同曲を録音しており
タワーレコードから復刻されていまして、
今日はその新旧(といってもわずか6年)聴く比べを記事にしようとしたのですが
フィラ管盤の途中で、爽快な昼寝にいたりました。
あ~、すっきりしました(笑)
いやいや、
そういう話ではないですね(爆)
ってことで、フィラ管盤の紹介はまた別の機会に・・・。