交響曲第2番ハ短調(ノーヴァク版)
ゲオルグ・ショルティ指揮
シカゴ交響楽団
(1991年、シカゴコンサートホール、デジタル録音)
唐突ですが、ブルックナーの交響曲、ディスクでも
1、2が極めて少なく、3がちょぼちょぼ、6がまたチョボ、
なのですよね。
そんな中、昨日のきじにした6番や今日ご紹介する2番は結構好きで、
後期3部作を聴くには心構えを要するのですが、
2番や6番は演奏時間が短いこともあって(と言っても55分程度は必要)
比較的気軽に接せられるんですよね。
そこで、今日は、ショルティ&シカゴ響のブルックナー2番をご紹介します。
お題目を見ただけで、なんとなく見えてきますよね(笑)
強引なぐらいオケをドライヴして、スケルツォは猛烈で、金管がズバズバ決まって・・・・
でも、そんな事を書きたいわけではありません(笑)
それなら、同コンビのブル5の項で書きましたし。。。。(爆)
http://ameblo.jp/toratoragatagata/entry-10527405489.html
感想の結論から言うと、悪くはありません。
しかし、好きにはなれません。
言うまでも無くCSOです。
常套句ですから、簡単に言いますが(笑)上手い。上手すぎます。
でも、誤解を恐れずに言うと、そこがちょっと、なのです。
ブルックナーの初期の交響曲って
もう少しナイーヴで
なよっとしてローカルな味わいが欲しい。
初演時にウィーン・フィルが「難解すぎる」と断ったぐらいの作品ですから
CSOが持てるテクニックを駆使して、「俺たち余裕だぜ」ってやるのもちょっと違う気がします。
ですから、第1楽章冒頭の弦のトレモロからして響きが好みではありません。
弦の歌い方は全曲を通して、キチキチ枠に収めて弾いているのも気に入りません。
そのトレモロの後に訪れる金管のffも上手すぎて、かえってデリカシーがない・・・。
アダージョもテンポはいいのですが、
山場での高弦の刻みが、「タンホイザー」よろしく、な響きで
それはそれではっと面白さや発見に気付きはするのですが、やはり違う。
スケルツォでもスケール感はあるものの、例えば、
繰り返しの後の、ティンパニの強打のメリハリが効いていない。
フィナーレは先の3つの楽章の総ざらい的な内容になっており、
上手すぎて、マッチョすぎて、構築されすぎて、逆にいただけない演奏となっています。
もちろん聴くときの心理状況にもよるかもしれませんし、
この文章は極めて私的な主観の塊の感想ですから、
なんとも言えないところはありますが、
個人的には、ジュリーニ&ウィーン響、シュタイン&Wph盤を凌駕してくれません。
それにしても、「上手すぎて困る」とは贅沢な感想でありますね(笑)
因みに、この曲、シモーネ・ヤング等による初版のディスクは、
演奏どうのよりも初版に抵抗を感じ、お蔵入りさせています。