人生どうらく日記
ベートーヴェン:

・ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73「皇帝」

(~ピアノ・ソナタ全集&ピアノ協奏曲全集(CD12枚組))
フリードリヒ・グルダ
ホルスト・シュタイン:指揮

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1970年・ソフィエンザールでのステレオ録音)


バックハウスに続き、デッカによる「皇帝」本日2連発です。

この曲、40分するかしないかの曲のため、

2回でマーラーの交響曲一曲分ですから(笑)

先行紹介のバックハウスが

私にとってあまりにも不発でしたので、「おかわり」に同曲異演盤を。


私の所有盤は、記載の通り「輸入ロープライス・ボックスセット」。

そのためか、録音詳細データはありませんが(←端折るなって云うてるやん?!:笑)、

こちらは、先程とうって変わって

ジェイムズ・ロック、ゴードン・パリーという最盛期のデッカが誇るエンジニアによる収録です。

たいへん良い音ですね~。


そして演奏も、N響でお馴染みの故・シュタイン。

あのお顔は一度みたら忘れませんが(爆)、

この時代のシュタインらしい、きりりとして引き締まりながらも

しっかりウィーン・フィルの長所を引き出しています。

(同コンビのブルックナー2番などでも上手いですよ)


芳醇な弦、ここぞの低弦の響き、

憂いを帯びた木管楽器とレンジの広い金管。

重々しくない、ベートーヴェンの協奏曲に私が求める

「絶妙な軽さ」は、やっぱりこのオーケストラならではの醍醐味が味わえます。


そしてなにより、グルダ。

まるでチェンバロのような、軽く飄々としたサウンドに

ここぞでガツンとくる重厚な響き。

本当にところどころで「チェンバロ」のように聴こえます。


この盤最大の聴き所は第二楽章。

ウィーン・フィルの音とが合わさり

まるでショパンの協奏曲1番の第2楽章を連想させる

夢見心地の濃厚すぎる溢れるロマンは絶品です。

デフォルメしすぎ、と批判もあるかもしれませんが、

良いんですよ、ベートーヴェンはロマンティストなのですから。

第一楽章と第三楽章とのきびきびしたリズムとのメリハリの効果も絶大です。


ソリスト・オケ・録音と3拍子揃ったディスクです

また、こちらは紹介したセット物だけでなく国内セット盤・単売もありますし何れも現役盤。

お好みに合わせてどうぞ。


それにしても、いい「お口直し」になりましたぁ~(笑)