・タンホイザー:序曲、私の大切な聖堂よ、夕星の歌
・ローエングリン:遠い森の中で寂しく
・ニュルンベルグのマイスタージンガー:第一幕前奏曲、ニワトコの美しい花
・ワルキューレ:第一幕フンディングが婚礼の宴席に~冬の嵐がすぎ~フィナーレ
ワルキューレの騎行
クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
チェリル・スチューダー(S)ヴァルトラウト・マイヤー(MS)
ジークフリード・イェルザレム(T)ブリン・ターフェル(Br)
(1993年ベルリン・フィルのジルベスターコンサートより、
1993.12.31フィルハーモニーホールでのライヴ・デジタル録音)
※拍手入り
ついに、当ブログでコレを紹介する日がきました。
と言っても、そんなに大層な話ではありませんが・・・。
私の長年の愛聴盤の一枚・・・・
学生時代、CDを買ってダメなら、遊び資金を確保の為に『すぐに売却』を繰り返し
今となっては、貴重な盤まで売却してしまっていたことをよく後悔しています。
これはそんな自分自身の盤集めにおける苦難(?)時代を乗り越えて(笑)、
いまだに愛聴している、私にとっての数少ない思い出の盤です。
(つまり、今所有する盤の80%は
その悪しきサイクルを断ち切った、
大学時代後半から(再)購入した盤です)
この盤がワーグナーを好きになったキッカケなのです。
(と、言っても、いまだどのタイトルも全曲実演に接した事は一度もありませんが)
超有名序曲2曲に「騎行」までついて、オケ好きの私にとって
取っ付き易かったことも理由ですが・・・。
アバドならではの歌心とティンパニの強打が格好いいタンホイザー序曲、
「私の大切な聖堂よ」におけるスチューダーの伸びやかな歌声、
ターフェルの「夕星の歌」での力演、
この辺りから活気付き、
ローエングリンの女声二重唱のマイヤーがすごい!!
ベルリン・フィルの重厚なffを制してよくもここまで声が出るっ!!
声量のすごいこともさることながら、表現力もすごすぎっ!!
アバドもそんなマイヤーを信頼しきって
遠慮せずにオケを存分に鳴らしきっています。
名歌手前奏曲になるともうオケも絶好調、さすがBPO。
そして、何よりも圧巻は、
ワルキューレにおけるマイヤーとイェルザレム。
第一幕のフィナーレへの場面。
当代きってのワーグナー歌手2人による2重唱は圧倒的ですし、
ベルリン・フィルのテンションも尋常ではありません。
最後の締め括りの弦の刻みのスピードが半端じゃなく、
フルトヴェングラーも真っ青な煽りっぷり!!
しかもバッチリ揃っている!
ワーグナーの楽曲の中で最も好きな場面の一つなのですが
もうこの15分間、鳥肌が立ちっぱなし・・・。
それにしてもマイヤー、キャラクターの異なる
エリザベスとジークリンデを瞬時の切り替えで歌いきるのですから
表現力の豊かさには驚嘆します!!
これ以上は、私の「貧ボキャ」と「ワーグナーの音楽経験」では表現できせん。
ブルやマーラーのように、一つの作品の同曲異演盤に20も30ものタイトルを所持していないので。
せいぜい4~5タイトル、聴き比べができない作品や全曲通して聴いたことのない作品もあります。
と言う事で、今日の盤紹介は、この辺りで〆ます(笑)
華やかで、美しく、力強く、
歌心とオケの表現力に
ワーグナーを聴く醍醐味が凝縮された一枚です!!
ワーグナーは長いし、・・・と躊躇われている方に特に是非聴いてください、
と言いたいのですが、こちらも既に廃盤で・・・。
最近、多すぎませんか?ってか、サイクル早すぎませんか、レコード会社さんっ!!(怒)
クラシックのCD、限定盤と謳っていなくても、我々ファンは
実際には限定盤と心得ておかないといけないようです。
(若気の至りでこれまで売らなくて良かったっ~(爆))