・交響曲第3番「ライン」
~シューマン交響曲全集より
ジェイムズ・レヴァイン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(1987年デジタル録音
廉価盤のためか詳細な録音データなし。つけとけよっ!!:怒)
この盤は
カラヤンの後継者と一時は期待され、
RCAからDGに移籍して、
ベルリン・フィルやウィーン・フィルと
精力的に録音をこなしていた時代の録音です。
結局、ベルリン・フィルはアバドを選び、
レヴァインは、チェリビダッケの後の
ミュンヘン・フィルのシェフに就任しますが全く成果を残せず。
アメリカにのみポストを求め
今ではヨーロッパ楽壇からは忘れられた「人」の一人ですが
この演奏のシューマンの3番は好きです。
はっきり言って、
サヴァリッシュやクーベリックなどのシューマンの正当派演奏とは真逆です。
そういった演奏と比すると邪道とまで言ってもやぶさかではありません(笑)
しかし、このレヴァインの3番だけは好んで聴いています
兎に角、滅茶苦茶、アメリカナイズされて、サウンドが軽い!!
快活すぎるぐらいに底抜けに明るいシューマンなのです!!
でも、最終楽章に顕著にみられるバスのずっしりした響きをはじめ、
オケの響き自体は
やっぱり当時のベルリン・フィルらしいピラミッド型の音構造なので
この音の軽さはオーケストラには起因しないと断言します。
となれば、カラヤンも聴けば驚くほどのレガートを多用
(←前半の楽章なんか、全ての弦楽器の音符にスラーがついているのでは?とまで思えます:笑)
そして、レヴァインならではの高弦を強調した(しすぎた?)演奏のなせる業なのでは、と思います。
ですから結果的に
この指揮者ならではのリズム感とが溶け合って
カラヤン時代のベルリン・フィルとは思えない楽観的な響きとなり
かといって、現代のベルリン・フィルの透明感のある軽さとも違うわけです。
ほんと、第一楽章なんか、ノリノリというか、レガートだらけで
スキーをしてるような(笑)
能天気すぎるリズム。
第4楽章でも、ほんと深刻にならない音の響き。
最終楽章なんか、
そのネアカさに思わず笑みをこぼしてしまいます。
しかし、この曲。
それでいいんではないでしょうか?
シューマンの精神状態(躁鬱)状態などを考えても
「さもありなん」と妙な説得力をもっている演奏だと思うのですが。
「シューマンの3番って、そんな難しい顔して聴かなくても・・・、
もっと微笑んで聴いてね」
とレヴァインが言っているかのように聴こえます。
シューマン入門盤としてはオススメできませんが、
私にとっては愛おしい演奏であります。
しかし、この全集、他のナンバーは全くオススメではありません(爆)