人生どうらく日記
ブルックナー

・交響曲第5番変ロ長調

朝比奈隆指揮

大阪フィルハーモニー管弦楽団(以下、大フィル)

(2001年大阪ザ・シンフォニーホールでのライヴ録音

SACDハイブリッド(リマスタ)盤/デジパック仕様)


さて、本日は休日です。

朝から音楽を聴いています。


何故、これをご紹介するか?

コアな当ブログ読者の方はお気づきいただけたでしょうか?


ここ数回、1週間でブルックナーの5番のディスクを紹介するのは

今日で3回目。

・山形交響楽団

・東京都交響楽団

と続き、今日は、大阪フィルハーモニー管弦楽団。


そうなんです。

『国内オーケストラによるブルックナー5番特集』

を勝手に開催しておりました。

しかも、この3枚ともが、SACDハイブリッド盤、

それも全てがエクストン(あるいは、オクタヴィア・レコード)と

いうことで、オーケストラの響きを比較するにも

環境が同じなのです。


そんな中、わが国が誇るブルックナーの巨匠こと

朝比奈隆にオオトリを務めていただきました(笑)

(同条件ではこの3枚しか所持していないし、

通常CDを含めても、

他の所持盤は朝比奈の異演盤2枚だけなんですがね、

国内オケのブル5は)


このディスク、はっきり言って他の2枚とは

スケールが違います。


低音が土台になって中域~高域までが、

どっかりピラミット型の音作りになっています。

だから、低弦のピチカートが多いこの曲には特にマッチします。


さらに、ゲネラル・パウゼの扱いが素晴らしい。

この全休止こそがブルックナーなんです。


朝比奈御大のいいところは、

その全休止のあとのアインザッツが合わないことなんか

気にしていない、っていうか、

そんな細かなことよりも、

全休止にこめられた、音のこだまや静寂に

焦点を当てているんですよね。

まっ、あの棒捌きですから、

アインザッツが揃いにくいのも当然ですが。


考えると、その辺りの解釈は、

ティーレマンのブルックナーにもいえることですよね。


また、金管やティンパニを大きな音は大きく鳴らす、

という朝比奈らしさここでも健在で、

このゴシック建造物にたとえられる

威容を誇るこの交響曲を見事に響かせています。


フィナーレのコラールの響きや、

そこでのホルンやトランペットの合いの手なんかも

素晴らしく、大フィルもこんなに上手かったか?と思うぐらいです。


ブックレットについている当日の写真を見ると、

木管も4管編成ですし、

ホルンが7発、トランペットやトロンボーンも6発などいわゆる倍管増強しています。

道理て、威容を誇れるわけですな(笑)

(この威容さなどは山響は不利です)


この演奏、

我々日本人がブルックナーの交響曲にイメージする

全てが音になっているといっても過言ではないかもしれません。


国内オケのディスクまで買って聞きたいと思わない、

と思っていらっしゃる方(実は私こそ、ですが)、

この盤は、聴き手を

別世界の音空間に誘(いざな)ってくれます。


因みに、朝比奈隆御大は、大フィルの古い楽団員から

私のブログネームと同じく「オッサン」と呼ばれていたそうです(笑)

まあ~、私のブログネームは

そこからパクッた、あ、いや、拝借した、ものなんですがね(爆)


「以下、余談」

京都出身の私は、朝比奈さんが亡くなられるまではずっと関西に住んでおりましたので

朝比奈=大フィルに少し足を伸ばせばいくらでも聴けるのに

一度も接しなかったことを大変後悔しております。

2001年の11月、大フィル定期公演でのブルックナー3番を

「この辺りで実演を聴いておかないと」と

ようやく重い腰を挙げてチケットの手配をしていたところ

大フィル事務局から「朝比奈は体調不良のためキャンセル」の旨の

電話がかかってきまして、

入金も済ませていなかったことから

「では、私もキャンセルで」と伝えたのが唯一の生エピソードです。

時間の有り余っていた学生時代も関西で過ごしたわけですから

「何故、それまでに聴きにいかなかったんやっ」と

まことに残念でなりません。