人生どうらく日記
ブルックナー

・交響曲第5番変ホ長調

飯森範親:指揮

山形交響楽団

(2009年山形テルサでのセッション、

デジタル録音、SACDハイブリッド)


部分部分を羊羹的に切り出すと、良くいえば室内楽的、

悪くいうと響きが薄く感じてしまうが、

全曲見渡してみると、それはそれで楽しめるディスクです。


60名弱でのブルックナーとは到底思えない

カタルシスを与えてくれるff、

なによりも機動力にすぐれた素朴な響きは他にはそうそうありません。


案外ブルックナーは、

オケの性能においてはキャパシティが広いのでしょうね、

ベルリンフィルのような超高性能なオケだけでなく、

この山響のような朴訥とした響きも十分受け入れてくれる、

作曲家の奥行きも感じます。


ダイナミクスや強弱といったところの指示は

飯森節といってもいいような箇所が見受けられますが、

極端に、ヘンテコなアゴーギクがあったりはしませんので、
あくまでも自然体のブルックナーの響きとして楽しめます。


もちろん、ここでも好調・山響が大健闘している点も

言い逃せません。

巨大で『神』ではないけど、

『自然』なブルックナーです。

ブル5こそ物量ありき、

と思われている方のも、

是非聴いていただきたい盤であります。

もしかしたら、ブルックナーを違った観点で

捉えられるようになるかもしれませんよ(笑)