人生どうらく日記
ブルックナー

・交響曲第9番二短調

ギュンター・ヴァント指揮

ミュンヘン・フィルハーミニー管弦楽団

(ステレオ・98.4.21ライヴ、バイエルン放送局による録音)


これは、

かの名盤と誉れ高いベルリンフィル盤ではなく、

ミュンヘンフィルのとのライヴ盤です。

放送音源だと思いますが、録音も優秀。

第1楽章の冒頭の弦のトレモロとホルン

(少し音程が危ないところがありますがその後は立ち直ります)

からしてモノが違います!

チェリ顔負けのゆったりしたテンポ、

この部分からしてすでに神懸かり的です。


このオケらしい暖かみのあるサウンドとヴァントの厳しい音造りが

上手く融合されていく中間部なんか、もう比がありません。

コーダでの音の積み上げ方も流石でfffになっても、

決してうるさくなりません。

チェリの薫陶を受けたオケだけあります。


スケルツォは推進力たっぷり。晩年指揮者とは思えません


そしてフィナーレ。

もう別世界です。彼岸の彼方に行ってしまうようです。

ゆったりとしたテンポですが、弛緩していない。

職人技、いや、

もはや神業です!!

背筋がゾクゾクとし、

涙が出てきます。


素晴らしいブル9を残してくれたヴァントと、

この録音を世に出してくれたレーベルに感謝です。
個人的には、ベルリン・フィル盤よりも

好みであります。