人生どうらく日記

マーラー

・交響曲第1番二長調

マイケル・ティルソン=トーマス指揮(以下、MTT)

サンフランシスコ交響楽団(以下、SFSO)

(2001年・デジタル・SACDハイブリッド盤)


最近、マーラー・全集としての一番のお気に入りは

このMTT&SFSOなんです。

全集と言っても、まだ、3・8・大地は未入手なんですが。

といいますのも、価格が高いっ。

このご時勢で輸入盤で平均取得コスト2,500円程度ですもの。

ってことで小分けにして購入し続け、

ようやくあと3枚まで漕ぎ着けました(笑)

(他にも買い漁りたいから、一気には揃いません:苦笑)


MTTのマーラー、

この1番に限らず、一言でいうと

純度の高い、サラサラ系のマーラーです。

ですから、後期の、例えば6番なんかでは、

もう少し、「怖さ」「エグさ」が欲しかったりしますが、

1番や4番などでは大成功を収めているといえます。


美しく、決して力まない、云わばピュア音楽的な解釈、

でも、タメや強弱の付け方などMTT節ともいえる特徴もある、

しかし、没入したり、過度に感情移入することはありません。

常に冷静。(常、ですから、例外はありません、どっかの試験問題集のように:笑)


だから、荒れ狂うことはありません。

しかし、要所要所で独特のMTT節もあり、

そのMTT節が、ここで来るぞ、ってところでちゃんと来る。


このマラ1も同様でして、

第一楽章での、自然の音と活気付く音、

第二楽章の主題と後半の対比、

第三楽章の冒頭部のデリカシーに富んだppの歌わせ方と中間部の対比、

最終楽章での、決して力まないfffと中間部との対比、など

常にメリハリのある、わかり易い解釈が、最後のコーダで生きてきます!


コーダでのタメが不自然ではなく、物語の結論付けとして。


バーンスタインのマーラーが、

フィレ(ヒレ)ステーキ・フォアグラ乗せ

(美食家でもあったロッシーニが好み、フィレ・ロッシーニという料理)

だとしたら、

MTTのマーラーは京懐石

といったところでしょうか(笑)


SFSOも上手いし、

録音もSACD化と相俟って、大変満足のいく盤であります。


未聴の方、ぜへ、一枚、聴いてみてください。