人生どうらく日記
マーラー

・交響曲第5番嬰ハ短調

マリス・ヤンソンス指揮

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

(2008年1月コンセルトへボウでのライヴ/SACD

※終演後の拍手入り)


すこぶる好調コンビによるマーラーの5番です。


ヤンソンス、ワーグナーでは批判的な記事をかきましたが、

マーラーは結構イケます。

と言っても、他は1番しかきいていませんが…


バーンスタインのようなこってり系でもなく、

ブーレーズのような分析的・室内楽的でもなく、

MTTのようなアッサリさらさら系でもありません。


また、インバルのように響きが薄かったり(録音のせいもあるかも)、

テンシュテットのようにオケの性能に問題があったり、

はたまたケーゲルのような爆演系であったりもしません。


RCOという性能の高い、

かつ響きの柔らかな優れたオケのセールスポイントを

最大に引き出しながら、

聴かせ処のツボを押さえた、新機軸のマーラーではないでしょうか。


冒頭のトランペットソロの上手さ、

第2楽章の嵐のようなバスの響き、

第3楽章のホルンの暗鬱な響き、

アダージェットの弦の柔らかさ、

フィナーレの管楽器の掛け合い、

などなどこの名門オケの性能により、

マーラーの大管弦楽の醍醐味を上手く料理している

ヤンソンスの手腕は見事です。


ただし、残念なポイントが。

第1楽章の最後の低弦のピチカート。

余りに弱い感じがします。

また、フィナーレのコーダ。

テンポはあそこまで落とさねばならなかったか?

の2点を残念箇所として挙げておきます。


録音も総じて優秀です。