7月から始まったカフェトークのモニターも最終回(12回目)となりました。
9月29日の最後のレッスンはやはり、学識豊かなMiho先生にお願いしようと思いました。

類義語についてネイティブに質問して、納得のいく答えを得られる時もありますが、
質問する前よりももっと深い森に迷い込み、出口がわからなくなってしまう時もあります。
彼らは経験則で類義語を使用しているので、
外国人から聞かれてもうまく説明するのはなかなか難しいのかもしれません。
日本語もそうかもしれません。
「間違いではないけど、普通そういう言い方はしない。」としか言えない時が確かにあります。


ふたたび、magasin と commerçant

長い間もやもやしていたのが、『虎と小鳥』の第33話に出て来た、magasin と commerçant の違いです。


自分のブログには、カードも使えない小さなお店。
もしくは露店?と結論づけましたが、
その後桶沼さんのブログでさらに色々なことを知りました。

桶沼さんによるとmagasinは、もともと商品を保管しておく、倉庫、蔵を意味しており、
そこから転じて、商品を保管、展示する場所、さらに、展示、販売する場所を言うようになり、
比較的大きなな店舗のことを言うそうです。
commerçantは小売商とのことでした。
また言葉というものは変化していくからと、類語辞典がかなり古いバージョンであることを気にしておられました。

ぼんやりと区分けができていたのですが、第68話の『パリのおもちゃ探し」では、
カミーユはおもちゃ屋さんを"un p'tit magasin "と言っており、
ぼんやりとした区分けもまた崩れてしまいました。

      


以下はMiho先生の解説です。



 magasin と commerçant の違いは?

commerçant は「商人」という意味から発して個人経営の店であると考えられます。
それに対してmagasin は会社(法人)経営の店ということです。


 なぜ、「いただきます」も、「召し上がれ」も"Bon appétit."と言うの?
「ごちそうを前に気になるフレーズ」

たとえば"Bonne journée." と言う時には、
"Je vous souhaite une bonne journée."の、"Je vous souhaite"が省略されていますね。
それと同じように"Bon appétit."のもともとの形も、 "Je vous souhaite un bon appétit."なのですね。
ですから「いただきます」という訳はあとから日本の状況の合わせた訳なのです。
自分も食べるけれど皆さんにも Bon appétit を望みますということなので、
自分が一人で食べる時には Bon appétit とは言いません。
Je vais me regaler. は自分自身に御馳走するという意味なので、
一人で食べるとしたらこちらです。
こちらも日本語訳をつけるとしたら、「いただきます」になります。

 フランス語には「安い」という形容詞が存在しません。
  Pas cher やBon marchéがありますが、
  Pas cher は「安物」で、Bon marché は「お買い得」と言う風に使い分けるのですか?


Pas cher は安物という意味ではありません。ただ値段が安いという意味です。
Bon marché は状況によっては「お買い得」という意味になることもありますが、
「品物の品質に対して値段が安い」ということをきちんと言いたい時には、"économique"を使います。
また、品質に対して適正な価格という時には、英語と同じように、"raisonnable "を使います。
敢えて安物と言う時は"Pas très cher mais mauvaise qualitè."という表現を良く聞きます。


 ami(e) と copain (copine) はどう違うの?

copain (copine) の語源はパンです。
日本でも「同じ釜の飯を食った仲間」という表現があるように、一緒にパンを食べる→何かを一緒にする仲間という意味合いの友だちのことを指します。
それに対してami(e) は、amitiè(友情)が語源ですから、自分が友情を感じていれば、一緒に何かをすることがなくてもami(e)ということができます。
また、copain (copine) は比較的新しい言葉で、もとは若者言葉であり、主に会話に使用されます。



Miho先生、今回も明快な解説をありがとうございました。


オンライン語学学習・英会話カフェトーク