これまでも、何度も取り上げた大相撲の年寄名跡問題。


鶴竜親方が、ようやく年寄名跡「音羽山」を取得して部屋持ち親方となる。


今、年寄名跡が最も必要な現役力士は、横綱照ノ富士だ。

照ノ富士は古傷の両膝の疾患、糖尿病に腰の疾患も加わり、今年90日の場所の内18日しか土俵に上がれず、15日間土俵をまっとうしたのは夏場所のみとまさに満身創痍。


照ノ富士の師匠は伊勢ヶ濱親方(元横綱旭富士)で、再来年7月に定年退職を迎える。


伊勢ヶ濱親方は、部屋を照ノ富士に継承することを以前に示唆したと言う。


元々、元関脇安美錦の安治川親方に継承する予定だったようだ。


だが、照ノ富士が横綱に昇進したので安治川親方は自身が部屋を継承出来ないと察して、分家独立して安治川部屋を興した。


仮に、照ノ富士が現役力士を引退した後年寄伊勢ヶ濱と部屋を継承するにも、師匠が定年退職した後再雇用されて部屋付き親方として部屋の運営を手伝うためには、再雇用後襲名する年寄名跡が必要となる。


つまり、照ノ富士は師匠伊勢ヶ濱親方が定年後に再雇用されるのに必要となる年寄名跡を取得しないと、部屋を継承出来ないのだ。


さらに、照ノ富士が現役力士として再来年7月まで土俵を務めることは、年齢や各部疾患の現状を考えるとほぼ不可能である。


ましてや、照ノ富士は横綱である。


あまり休場ばかりしてると、横綱審議委員会から引退勧告を突きつけられるのだ。


鶴竜(音羽山親方)、白鵬(宮城野親方)、稀勢の里(二所ノ関親方)は、現役時代横綱審議委員会から引退を勧告された。


過去にも年寄名跡が取得出来ずに休場ばかりして延命を図り、晩節を汚した横綱は数多くいた。


稀勢の里の師匠であった先々代鳴戸親方(元横綱隆の里)や、一代年寄襲名が認められた北の湖親方(元横綱北の湖)が際たる例だ。


五つある一門の総帥の一つである、伊勢ヶ濱部屋ですらこの有様である。


多くの見識者が、再雇用される親方には年寄名跡を不要にするよう提言しており、協会はそのように動くべきだが、八角理事長はそのように動かないと見ている😛😛


元関脇寺尾の先代錣山親方が死去し、弟子の立田川親方(元小結豊真将)が年寄名跡錣山と部屋を継承するが、先代錣山親方は現錣山親方が所有していた立田川の名跡を弟弟子となる現役力士の阿炎に継承させるよう、言い残したとか。


なお、現時点ではまだ錣山の名跡を元寺尾の遺族が、立田川の名跡を元豊真将が所有していることになっており、協会は名跡の交換を承認していないのだ。


今日、協会は立田川親方が錣山部屋の師匠を代行することを承認した。


錣山部屋の力士が初場所に出場出来るよう、暫定的な措置を取ったと見られる。


先代高砂親方(元大関朝潮)は、高砂の年寄名跡と部屋を現高砂親方(元関脇朝赤龍)へ継承する際、将来は高砂の名跡と部屋を現役力士の朝乃山に継承させることを条件としたとか。


この条件を飲んだ現高砂親方が部屋と名跡を継承した一方、この条件を飲まなかった若松親方(元幕内朝乃若)は部屋付き親方として高砂部屋に残してはもらえたものの、部屋の継承者にはなれなかったとか。


また、現高砂親方が将来も親方として協会に残れるよう現高砂親方が所有していた錦島の年寄名跡を先代高砂親方の遺族が所有してるとか。


ちなみに、現在錦島の名跡は出羽海一門藤島部屋(師匠は元大関武双山)部屋付き親方の元幕内翔天狼に貸出中である。


昨日、年寄振分と出来山との名跡交換が協会から発表された。


振分は現役力士の妙義龍が所有している年寄名跡で、出羽海一門境川部屋(師匠は元小結両国)の部屋付き親方の元幕内寶千山に貸出していたが、境川部屋付き元幕内佐田の富士に貸し出すことにしたようだ。


また、出来山は元関脇出羽の花の野村さんが所有する年寄名跡で、こちらは元佐田の富士から元寶千山に貸し出すことになったようだ。


妙義龍は境川部屋所属力士で、妙義龍が現役力士を引退して年寄振分を襲名した場合は、元佐田の富士は自身で名跡を取得するか他の名跡を借りないと親方として協会に残れなくなるのだ。


出来山の名跡も、将来は出羽海一門の総帥の出羽海部屋所属現役力士の御嶽海が取得すると見られる。


横綱、大関に昇進した力士は、引退後に年寄名跡があれば部屋持ち親方になる資格があるのだが、横綱照ノ富士だけでなく、現大関、元大関の現役力士は誰も年寄名跡を所有していない。


ましてや霧島と豊昇龍は日本国籍を所有しておらず、年寄名跡を所有する資格すら満たしていない。


現役横綱照ノ富士、現役大関貴景勝、元大関の現役力士髙安(現小結)、正代、朝乃山、御嶽海(いずれも現平幕)は、誰もまだ年寄名跡を所有していない。


現役力士で年寄名跡を所有してるのは、先に挙げた振分を所有する妙義龍以外には大山を所有する北勝富士と、北陣を所有する遠藤の三力士しかいない。


無論北勝富士は大山の名跡を同じ高砂一門の九重部屋(師匠は元大関千代大海)部屋付き親方の元幕内千代鳳、遠藤は所属する時津風一門の追手風部屋とは異なる、出羽海一門の尾上部屋(師匠は元小結濱ノ嶋)の部屋付き親方の元幕内天鎧鵬に貸出中である。


協会は、建前では年寄名跡の貸し借りを禁止しているものの、実際には今なお貸し借りが横行しているのだ😛😛