西武ライオンズは、楽天から戦力外とされた捕手炭谷銀仁朗を獲得した。

炭谷は、6年ぶりの古巣復帰となる。


西武時代の炭谷

炭谷は、2018年シーズン終了後にフリーエージェントの権利を行使して巨人に移籍した。


自身が専属捕手を務めていた投手菊池雄星がポスティングで米大リーグへ移籍して、またレギュラーの座は森友哉(現オリックス)が獲得していたので、出場機会を求めての移籍だった。


しかし、巨人の原前監督は2018年に入団した東海大相模高、東海大学出身で自身の後輩となる大城卓三をねこかわいがりしたために、思ったほど出場機会を得られなかった。


2021年シーズン途中、炭谷自身の希望を原前監督が叶える形で楽天へ金銭トレードされ、西武時代の同僚だった岸孝之やマー君が先発する時には必ずマスクを被った。


だが、チームの若返りと称し高額年俸選手を一掃し始めた楽天は、炭谷に現役を引退してコーチに転身するよう打診するも炭谷が拒否したため、楽天は炭谷に戦力外を通告した。


西武が炭谷を獲得した理由は、西武一筋では得られなかった経験を持つこと、森がフリーエージェントで流出した後に捕手の人材難に陥ったことの二つあろう。


ただ、炭谷もベテラン選手の域に達し、現役生活はそう長くはない。


将来はコーチへ転身するだろうし、来年からコーチを兼任してもいいと思うが。


フリーエージェントで他のチームに移籍した選手が現役選手のまま古巣にカムバックした例は、新井貴浩(現広島監督)に次いで二例目か。


米大リーガーとなった後に古巣へカムバックした選手も、黒田博樹(元広島)、平野佳寿(オリックス)、松井稼頭央(現西武監督)、福留孝介(元中日)等そんなに多くはない。


松井は楽天を経て西武へ、福留は阪神を経て中日へカムバックした。


新井貴浩

広島→阪神(フリーエージェント)→広島


新井は、移籍先の阪神から大幅な減俸を提示された上レギュラーの座も失っていたため、出場機会を求めて阪神を退団して古巣広島にカムバックした。


新井は、阪神から前年の推定年俸の2億円から半分以下の8千万円を提示された。


しかも、一塁のレギュラーには助っ人外国人選手のマウロ・ゴメスが据わり、新井は代打要員となっていた。


阪神に残ってもゴメスとの併用の立場だった新井は、出場機会を求めて阪神を退団した。


広島にカムバックするも、広島が新井に提示した年俸は何と2千万円びっくりびっくり


それでも、新井は試合への出場機会を求めて年俸が1/10となることを承知の上で、広島へカムバックしたのだったびっくりびっくり


現役引退後、解説者を経て監督として広島に再カムバックした。


トレード等で他のチームに移籍した選手が、フリーエージェントの権利を行使し現役選手のまま古巣へカムバックした例は、ダイエー→横浜(トレード)→オリックス(トレード)→ソフトバンク(フリーエージェント)と渡り歩いた投手寺原隼人(現ソフトバンクコーチ)と、巨人→西武(人的補償)→巨人(フリーエージェント)と渡り歩いた内野手脇谷亮太(現巨人二軍コーチ)の例がある。