今日の甲子園高校野球交流試合結果。
第一試合
智弁学園(奈良)3
中京大中京(愛知)4x
(延長10回)
第二試合
鹿児島城西(鹿児島)1
加藤学園(静岡)3
第一試合は、互いに少ないチャンスをものにして得点を奪い合うも9回で決着がつかなかった。
中京は、智弁のエース西村君の立ち上がりを攻めて初回に幸先よく3点を先取した。
智弁は、プロ注目の投手である中京のエース高橋君が制球を乱した4回表、一気に3点を奪って同点に追いついた。
その他のイニングでは西村君、高橋君が力投して相手に得点を許さなかった。
この交流試合独自の規定により、延長戦突入即タイブレーク導入となったが、10回ウラにあっさりと決着がついた。
10回ウラ、先頭打者村上君は定石どおり初球送りバント。
しかし、これを智弁の西村君が処理出来ずに無死満塁(記録は西村君の失策)
次打者、中京の西村君は二飛。
この時点で、審判がインフィールドフライを宣告して打者西村君はアウト。
ところが、この飛球を智弁の二塁手錦織君が何と落球してしまった
これを見た三塁走者の前田君は本塁に走り、錦織君もすぐに本塁に送球したが、前田君の本塁突入が早く、中京がサヨナラ勝ちした。
中京は、このチームで公式戦28戦全勝として有終の美を飾った
インフィールドフライが宣告されて、打者がアウトになってもこの時点ではボールデッドとはならずに、ボールインプレイでプレイは継続されるのだ。
したがって、相手野手が飛球を落球した場合は、走者はハーフウェイからスタート可能である。
なお、実際にはまずあり得ないが相手野手が飛球を捕球した時、走者が帰塁してタッチアップを切って次の塁を狙うことはルール上は可能なのだ。
インフィールドフライとは、無死または一死一、二塁若しくは満塁の時に打者が内野に飛球を打ち上げた時、飛球を故意落球して併殺を狙うプレイを防止するために、普通の守備行為をすれば捕球出来ると審判が判断した時に宣告するものであり、この時点で打者はアウトとなる。
インフィールドフライとは呼ばれるも、邪飛(ファールフライ)で宣告される時もある。
Wikipediaによると、日本のプロ野球でインフィールドフライが宣告された後に飛球を捕球せず、その間に三塁走者が本塁に生還したサヨナラゲームが過去二例あるようで、そのいずれにも広島カープが絡んでいたのだ
Wikipediaから、この二例を抜粋する。
1991年6月5日
大洋対広島戦(横浜スタジアム)
9回ウラ
W 2 - 2 C
大洋は、一死満塁としてサヨナラ勝ちのチャンスを迎えていた。
大洋の打者清水は内野に飛球を打ち上げ、この時点で球審の谷はインフィールドフライを宣告した。
広島の捕手達川は、この飛球を直接捕球せずバウンドさせた後に捕球してホームベースを踏んで、一塁手の長内に送球した。
三塁走者山崎は本塁に向かって走るも一度は本塁を空過(ホームベースを踏まなかった)し、再度本塁に戻ってホームベースを踏んだ。
この時点で、球審の谷は三塁走者山崎の本塁生還を認めてゲームセットを宣告し、大洋がサヨナラ勝ちした。
この判定に広島山本浩二監督、達川、長内が抗議するも、球審の谷は理路整然とルールを説明して抗議を却下した
広島側は、山本浩二監督、達川、長内の全員が、インフィールドフライのルールの解釈を間違っていたのだった
さらには、大洋の三塁走者だった山崎もインフィールドフライのルールの解釈を間違い、併殺と勘違いして本塁を空過して、ベンチに帰ろうとしていたのだった
もし、山崎がベンチに帰っていれば、広島のアピールがなくても山崎はアウトで、併殺となっていた
なお、達川がホームベースを踏まずに山崎にタッチしていれば、併殺となっていた
また、三塁走者だった山崎には大洋ベンチがホームベースを踏むように指示したようだ。
2015年5月4日
広島対巨人戦(マツダスタジアム)
9回ウラ
C 2 - 2 G
広島は、一死満塁としてサヨナラ勝ちのチャンスを迎えていた。
広島の打者小窪は本塁付近に飛球を打ち上げ、この時点で二塁塁審嶋田と三塁塁審丹波がインフィールドフライを宣告した。
巨人の一塁手フランシスコと、三塁手村田が飛球を処理しようとしたが何とお見合いし、打球はフェアゾーンでバウンド
この時、球審の福家がフェアを宣告
フランシスコがフェアゾーンでバウンドした球を拾い、ホームベースを踏んで一塁へ送球しようとしたため、三塁走者野間はこの間に本塁に走ってホームベースを踏んだが、福家は野間にアウトを宣告したのだ
広島緒方監督と石井コーチは、球審の福家に塁審がインフィールドフライを宣告していたことを確認するように求め、この試合の責任審判であった三塁塁審丹波がインフィールドフライを宣告したことを福家に告げたため、福家は野間の本塁生還を認めて、広島がサヨナラ勝ちした。
実は、球審の福家はフランシスコが捕球する前にフェアを宣告しており、福家は村田が打球に触れて落球したとジャッジしていた
谷の理路整然とした対応とは違って、福家の対応はバタバタだった
また、緒方監督は広島の選手、石井コーチは大洋の選手として、24年前のことを覚えていたことから即座に福家に確認を求めることが出来たのだった
では、交流試合第二試合のレビューを。
第二試合は、数少ないチャンスをものにして得点を挙げた加藤学園が勝利を飾った
試合は城西が押し気味に進めていたが、加藤学園の堅守が城西の得点を阻んだ。
4回表、城西は二死から6番古市君が安打で出塁。
加藤学園のエース肥沼君の暴投で、古市君が二進した。
投手肥沼君は、かなりヤバい状況
7番原田君は、中前に安打を放った
城西先制と思われたが、加藤学園のセンター佐野君が本塁へ好返球し、古市君本塁寸前で憤死
加藤学園打線は城西のエース八方君の投球に手こずり、なかなかチャンスが作れない。
しかし、均衡を破ったのは加藤学園。
6回ウラ二死二塁から、3番大村君が中前適時打を放って待望の先取点を挙げた
8回ウラ、加藤学園は二死二塁から2番杉山君が右中間を深々と破る当たりを放ち、城西の中継プレイがもたつく間に打者走者杉山君が一気に本塁を陥れた(記録はランニングホームラン)
9回表、城西は一死一塁から代打砂川君がレフト線に安打を放ち、レフト植田君がクッションボールの処理を誤る間に一塁走者八方君が一気に本塁を陥れてようやく1点を挙げた
その後、城西は二死一、三塁の長打が出れば同点のチャンスを作るも後続を断たれた
加藤学園は静岡独自大会で緒戦敗退、城西も鹿児島独自大会でベスト8止まりと振るわなかったが、短い期間でよくチームを立て直した。
城西は、元プロ野球選手だった佐々木監督が就任して短い間でチームを強くして甲子園に導いたが、初勝利はならなかった
鹿実、樟南、神村学園と甲子園常連校の壁は厚いが、再び甲子園に出て来て欲しい