小倉百人一首の歌の内、女流歌人が詠んだ歌は21首ある。

全部書き出してみようニコニコ

2.持統天皇
春過(はるす)ぎて 夏来(なつき)にけらし 白妙(しろたへ)の

衣干(ころもほ)すてふ 天(あま)の香久山(かぐやま)
{E1A6B60D-7DEE-4084-9CB7-DF6D9781D012}
父は、1番を詠んだ天智天皇。
夫は、天武天皇。
息子は、草壁皇子。
その草壁皇子の息子が、文武天皇。
持統天皇は、天武天皇没後に草壁皇子を天皇とするつもりだったが、草壁皇子は皇位につくことなく病死したため、自ら皇位についた。
持統天皇は生前退位し、孫の文武天皇に皇位を継承した。

(参考)
1.天智天皇
秋(あき)の田(た)の かりほの庵(いほ)の 苫(とま)をあらみ

わが衣手(ころもで)は 露(つゆ)にぬれつつ
{571A33F5-BE91-439D-92A7-5D3C4FF802F0}

では、女流歌人の歌に戻る。

9.小野小町
花(はな)の色(いろ)は 移(うつ)りにけりな いたづらに

わが身世(みよ)にふる ながめせしまに
{6340E137-26EE-472A-B1EB-E4A16549DF71}
六歌仙、三十六歌仙、女房三十六歌仙に数えられるが、出自は不詳とされている。

19.伊勢
難波潟(なにはがた) 短(みじか)き蘆(あし)の ふし間(ま)にも

逢(あ)はでこの世(よ)を 過(す)ぐしてよとや
{BB504291-2E79-4791-84FE-F51ED20382DA}
三十六歌仙、女房三十六歌仙に数えられる。
父は、藤原継蔭。

38.右近
忘(わす)らるる 身(み)をば思(おも)はず 誓(ちか)ひてし

人(ひと)の命(いのち)を 惜(を)しくもあるかな

父は、藤原季縄。
{409C7366-DDC4-4E90-B635-1AD0428367D2}
53.右大将道綱母
嘆(なげ)きつつ ひとり寝(ね)る夜(よ)の 明(あ)くる間(ま)は

いかに久(ひさ)しき ものとかは知(し)る
{A6D4E289-E804-4DED-9FA8-8E44E3651E7E}
藤原倫寧の娘、藤原兼家の妻、藤原道綱の母。

54.儀同三司母(高階貴子)
忘(わす)れじの ゆく末(すゑ)までは かたければ

今日(けふ)を限(かぎ)りの 命(いのち)ともがな
{2F27DB66-5B9C-4FFA-8D89-CF3C1CE39873}
高階貴子の方が、通りがいい。
夫は藤原道隆、息子は藤原伊周。
息子伊周の官職の唐名(儀同三司)から、儀同三司母と呼ばれた。

56.和泉式部
あらざらむ この世(よ)のほかの 思(おも)ひ出(で)に

いまひとたびの 逢(あ)ふこともがな
{0812BB96-15DD-406B-8F15-9CFAE9FE139E}
越前守、大江雅致の娘。
中古三十六歌仙、女房三十六歌仙に数えられる。
和泉守、橘道貞の妻となり、和泉式部となる。
道貞とは離縁したが、道貞との間に生まれた娘小式部内侍は後に母譲りの名歌人となり、後述する60番を詠んだ叫び
しかし、娘小式部内侍は、母和泉式部より早逝したしょぼん

57.紫式部
めぐり逢(あ)ひて 見(み)しやそれとも わかぬ間(ま)に

雲(くも)がくれにし 夜半(よは)の月(つき)かな
{90A48858-837D-4516-BA9E-95EA21EBA481}
中古三十六歌仙、女房三十六歌仙に数えられる。
藤原為時の娘で、「源氏物語」の作者。
山城守、藤原宣孝の妻となり、宣孝との間に生まれた娘賢子も歌人となり、後述する大弐三位となって58番を詠む。

コナンくんの映画では、毛利蘭ちゃんが得意札に悩む遠山和葉ちゃんに「恋を詠んだ歌はどうかな?」として、この歌を例に出した。

58.大弐三位(藤原賢子)
有馬山(ありまやま) 猪名(ゐな)の笹原(ささはら) 風吹(かぜふ)けば

いでそよ人(ひと)を 忘(わす)れやはする
{64D5490C-4D20-4C2C-93A3-66008A0D1522}
先述の紫式部の娘で、母同様中古三十六歌仙、女房三十六歌仙に数えられる。

59.赤染衛門
やすらはで 寝(ね)なましものを 小夜更(さやふけ)て

傾(かたぶ)くまでの 月(つき)を見(み)しかな
{3CD7871B-78D3-42AC-8057-75743E9BD751}
大隅守、赤染時用の娘で中古三十六歌仙、女房三十六歌仙に数えられる。

60.小式部内侍
大江山(おほえやま) いく野(の)の道(みち)の 遠(とほ)ければ

まだふみも見(み)ず 天(あま)の橋立(はしだて)
{1FFB5137-F1C7-4E43-8621-DA5C215AB46B}小式部内侍は先述のとおり和泉式部の娘で、母同様に恋多き女流歌人だったようだが、母より早逝したしょぼん

61.伊勢大輔
古(いにし)への 奈良(なら)の都(みやこ)の 八重桜(やへざくら)

今日(けふ)九重(ここのへ)に にほひぬるかな
{D04B3D58-EBF3-4734-ABA3-63498A9C2FFD}
伊勢大輔は中古三十六歌仙に数えられる大中臣輔親の娘で、自身も中古三十六歌仙、女房三十六歌仙に数えられた。
伊勢大輔の娘は、母として源兼俊を産んだ。

62.清少納言
夜(よ)をこめて 鳥(とり)の空音(そらね)は 謀(はか)るとも

よに逢坂(あふさか)の 関(せき)はゆるさじ

三十六歌仙に数えられ、42番を詠んだ清原元輔の娘。
随筆集「枕草子」の作者で、中古三十六歌仙、女房三十六歌仙に数えられた。
{228185EA-024A-4700-AC9E-B0480C7E15B4}
(参考)
42.清原元輔
契(ちぎ)りきな かたみに袖(そで)を しぼりつつ

末(すゑ)の松山(まつやま) 波(なみ)こさじとは
{D5DB2FA0-CDA3-4421-B4BD-85BF3634E4BA}
女流歌人の歌に戻る。

65.相模
恨(うら)みわび ほさぬ袖(そで)だに あるものを

恋(こひ)に朽(く)ちなむ 名(な)をこそ惜(を)しけれ
{731A1C54-B5A5-40C6-8F26-004613F17ED4}
相模は、中古三十六歌仙、女房三十六歌仙に数えられるが、詳細には不明な点が多い。

67.周防内侍(平仲子)
春(はる)の夜(よ)の 夢(ゆめ)ばかりなる 手枕(たまくら)に

かひなく立(た)たむ 名(な)こそ惜(を)しけれ

女房三十六歌仙に数えられた。
{16E9367C-003C-4011-AC0D-293C0F9F3140}
72.祐子内親王家紀伊
音(おと)に聞(き)く 高師(たかし)の浜(はま)の あだ波(なみ)は

かけじや袖(そで)の ぬれもこそすれ
{F2AF6090-9396-41B9-9AC7-FCFF861A47C6}
女房三十六歌仙に数えられた。

歌に詠まれている高師の浜とは、現在の大阪府堺市〜高石市にかけて府が整備した浜寺公園のあたりを示すようで、現在の南海高師浜支線の高師浜駅付近とは少し位置がずれるようだ。

80.待賢門院堀河
長(なが)からむ 心(こころ)も知(し)らず 黒髪(くろかみ)の

乱(みだ)れて今朝(けさ)は 物(もの)をこそ思(おも)へ
{22DBCE9D-E385-4FA4-B8CC-C065700C03AA}
読み札に「堀川」と書かれているが、一般的に「堀河」表記の方が通りがいい。
女房三十六歌仙、中古六歌仙に数えられる。
父は、源顕仲。
妹は、待賢門院兵衛(上西門院兵衛)。
80番は、小倉百人一首の中でも屈指の官能的な恋歌とされる。

88.皇嘉門院別当
難波江(なにはえ)の 蘆(あし)のかりねの ひとよゆゑ

身(み)を尽(つく)してや 恋(こ)ひわたるべき

父は、源俊隆。
難波江とは、今の大阪のなんば(難波)界隈のことである。
{D4706A96-FD30-40FF-B990-6C6D01909688}
89.式子内親王
玉(たま)の緒(を)よ 絶(た)えなば絶(た)えね なからねば

忍(しの)ぶることの 弱(よわ)りぞもする

後白河天皇の娘で、新三十六歌仙、女房三十六歌仙に数えられる。
{8676614E-659E-464A-8FE6-6D93D0638E3E}
映画では、エンディングシーンで蘭ちゃんから工藤新一(=コナンくん)へこの歌をメールで送ったと新幹線の車内から鈴木園子ちゃんに電話し、折り返し新一からは崇徳院(崇徳天皇)が詠んだ77番が帰って来たが、意味が分からないと言って園子ちゃんに教えてもらった💓

園子ちゃんは蘭ちゃんに意味を説明したあとで「超ラブラブ💓な歌。ごちそうさま💓」と💓

(参考)
77.崇徳院(崇徳天皇)
瀬(せ)をはやみ 岩(いは)にせかるる 瀧川(たきかは)の

われても末(すゑ)に 逢(あ)はむとぞ思(おも)ふ
{1B1A8AC5-F930-458A-AE17-13579192A8AA}

再び、女流歌人の歌に戻る。

90.殷富門院大輔
見(み)せばなや 雄島(をじま)の海人(あま)の 袖(そで)だにも

濡(ぬ)れにぞ濡(ぬ)れし 色(いろ)は変(か)はらず

女房三十六歌仙に数えられる。
後白河天皇の娘の殷富門院に出仕したことで、歌壇に立ったとされる。
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92.二条院讃岐
わが袖(そで)は 潮干(しほひ)に見(み)えぬ 沖(おき)の石(いし)の

人(ひと)こそ知(し)らね かわく間(ま)もなし

女房三十六歌仙に数えられる。
源頼政の娘で、後白河天皇の息子二条天皇に出仕した。
{E4DD7A65-9E91-4BC0-8808-CCF52510263B}
坊主めくりでは、以上21首を詠んだ女流歌人の読み札を姫として、女流歌人の読み札を引いた人は山札を全部もらえるのだニコニコニコニコ

僧侶(坊主)の札は12枚なので、女流歌人(お姫さま)の札の方が出る確率が高いのだが、不思議と坊主の札ばかり引くような気がするショック!ショック!
(今日が百人一首の日であることにちなみ、2年前に書いた記事をアップした)