「止まっていた時計が今動き出した」は、2004年1月にリリースされたZARDの10thアルバム「止まっていた時計が今動き出した」のタイトルチューンである。
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約2年に渡って生殖器官の病気に苦しんだ泉水さんが、何かといわくがついた「時間(とき)の翼」以来、実に3年ぶりとなったアルバム「止まっていた時計が今動き出した」をリリースし、そしてファンが待ちに待ったZARD初のライブツアーを行うことを発表したことで、泉水さんが自らの力で「止まっていた時計」を動かして、ZARD=坂井泉水の復活をファンに高らかにアピールするアルバムとなった^_^

このわずか2年後に泉水さんに子宮頸がんの病魔が襲いかかり、ましてや3年後に泉水さんが不慮の事故で亡くなるなんて、ファンはおろか泉水さん本人も知り得なかったのだったT_T

「止まっていた時計が今動き出した」は、泉水さん没後の2007年8月にリリースされたセレクションアルバム「Brezza  di mare」にも収録されたが、この「Brezza  di mare」のジャケットに書かれたタイトルの下の「dedicated to IZUMI SAKAI(坂井泉水に捧ぐ)」と言う小さな文字が、何とも恨めしく感じたT_T
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このタイトルチューンを作曲したのは、2013年に解散したGARNET CROWのヴォーカリストで、またGARNET CROWの楽曲を全曲作曲した中村由利である。

そして、中村由利がZARDに提供した唯一の楽曲でもある。

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中村由利は、2009年の泉水さん三回忌の年に開催されたトリビュートライブ「What a beautiful memory」の大阪公演にゲスト出演し、自らのヴォーカルでこの曲を披露した^_^


閑話休題(⌒▽⌒)

前に、GARNET CROWについては概略を述べたが、ここではGARNET CROWのヴォーカリストだった中村由利について概略を述べる^_^

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中村由利はファンから「ゆりっぺ」と呼ばれて親しまれていたが、「ゆりっぺ」のニックネームを命名したのは、GARNET CROWのもう1人の女性メンバーだったキーボードプレイヤーのAZUKI七だとか^_^

また、ゆりっぺはコンサート等のステージで「自称歌姫、ゆりっぺこと中村由利です^_^」と、自らを紹介していた(^^;;

上の4枚の写真は、最初の2枚がゆりっぺ、3枚目の写真の左側がゆりっぺで右側がAZUKI七、最後の1枚がAZUKI七である。

GARNET CROWのメンバーの内、ギタリストの岡本仁志、キーボードプレイヤー古井弘人、そしてAZUKI七の3名は、GARNET CROW結成前からプロのミュージシャンだった。

しかし、ゆりっぺは幼少から音楽に親しんでいたこともあって音楽の仕事に携わることを希望していたものの、音楽制作を後方から支えるバックスタッフになりたいとしてGIZAstudioに入ったようで、当初はミュージシャンになることなど全然考えてなかったらしいが、周囲の勧めでミュージシャンになったとか(^^;;

しかも、GARNET CROWを結成するにあたってヴォーカリストがいなかったため、ポップスミュージシャンの女性ヴォーカリストにあまりいないアルトヴォイスのゆりっぺに白羽の矢が立って、何とGARNET CROW結成前はメンバーで唯一素人だったゆりっぺが、ユニットのフロントマンとなるヴォーカリストになったのだとか(^^;;

ゆりっぺにヴォーカリストとなるよう勧めた1人がAZUKI七だったようで、AZUKI七は「私には好きな女性ヴォーカリストがいなかったが、ゆりっぺが最初で、かつ唯一好きな女性ヴォーカリストとなった^_^」と述べたとか^_^

ゆりっぺは、女性ポップスシンガー、ヴォーカリストとしては非常に稀な低い声のアルトヴォイスが特徴であり、また売りであった^_^

あゆ(浜崎あゆみ)、Every Little Thingのモッチー(持田香織)等、地声がアルトヴォイスの女性シンガー、ヴォーカリストは何人かいたが、アルトヴォイスのままで歌ったヴォーカリストは、近年ではゆりっぺ以外に思い浮かばない(^^;;

さらに、ゆりっぺはあゆやモッチーの裏声とはまったく異なる、一般的には元アース・ウインド&ファイアーのフィリップ・ベイリーのような黒人男性ヴォーカリスト独特とされる「ファルセットヴォイス」で歌うことが出来る、稀有な女性ヴォーカリストだった^_^

私はGARNET CROWのライブをたった一度だが鑑賞したことがあり、ゆりっぺのヴォーカルが他の女性シンガー、ヴォーカリストにない独特の雰囲気を醸し出しているのを実感した^_^

前にも書いたが、GARNET CROWの楽曲は全曲がAZUKI七の作詞、ゆりっぺの作曲だったのだが、AZUKI七の独特な詞の世界をカッコよく表現出来たのは、メロディを自らがつけていたにせよゆりっぺ独特のヴォーカルがあったからこそだと言えよう^_^

GARNET CROWの音楽は、AZUKI七の独特な詞の世界と、ゆりっぺの稀有な声域と高い歌唱力がなければあり得なかったものだった^_^

話を「止まっていた時計が今動き出した」に戻すと、泉水さんとゆりっぺの声域はまったく違うのだが、実際にゆりっぺが歌った「止まっていた時計が今動き出した」を聴いてもまったく違和感がなかったし、それでいて泉水さんが歌う「止まっていた時計が今動き出した」とはまったく違う歌に聴こえた^_^

ゆりっぺはGARNET CROW解散後はこれと言った音楽活動をしていないが、ぜひ共カムバックして欲しいヴォーカリストだ^_^

泉水さんが自らの復活をファンにアピールした「止まっていた時計が今動き出した」は、その詞からも泉水さんの意思が伝わるものとなった^_^


「止まっていた時計が今動き出した」の歌詞

作詞:坂井泉水 作曲:中村由利

また巡り会う春を待っている 時よつづれ
そして人は皆 僅かな誇りと運命を感じている
此処には 過去も未来もない 今しかない
まわり道も 意味のある修行(おしえ)と気づく日が来る
きっとどこかへと つながっている
冷たい石の上を歩く 靴音が懐かしいよね
許せなかった幼い日 どうかせめて前途ある未来に…

君の胸の中に 何も持たずに今
飛び込んでいけるなら ねえいきたいよ 何処か果てまで
悲しい雨が心を濡らしてゆく
止まっていた時計が今動き出すから

君と眠る時間 他人(ひと)には見せない顔
だんだん君との思い出も薄れていくよ
哀しい雨が心を濡らしてゆく
止まっていた時計が今 動く

君の胸の中 何も持たずに 今
飛び込んでいけるなら ねえ いきたいよ 何処か果てまで
悲しい雨が心を濡らしてゆく
止まっていた時計が今動き出したよ

止まっていた時計が今動き出すから