JR西日本は、大阪府、岸和田市との連立事業である阪和線東岸和田駅の高架化工事を進めており、先日下り線(和歌山方面)のホームが新設された高架駅に切り替わった。

阪神電鉄は、兵庫県、西宮市との連立事業である武庫川~甲子園間の高架化工事を進めており、3月14日に下り線(神戸、姫路方面)を新設中の高架軌道に切り替えて、同時に鳴尾駅の下りホームも高架駅に切り替える。

上り線(大阪、奈良方面)の軌道は2年後に切り替えとなり、高架軌道に切り替え後、仮線を撤去して側道を整備する等の付帯工事が行われる。

阪神電鉄は、神戸市との連立事業である深江~魚崎間の高架化工事も同時に進めており、これが完成すると、深江駅、青木駅が高架化されて、梅田~元町間は武庫川駅東側、芦屋市内、岩屋駅東側以外の踏切がすべてなくなる。

また、甲子園駅の駅施設改良工事も同時進行中で、上りホームはほとんど使用されていなかった降車専用ホームを撤去して軌道を移設し、乗車、降車兼用ホームを拡幅する工事が終わり、今月22日からホームが拡幅される。

また、下りホーム拡幅工事も間もなく終わり、武庫川~甲子園間の軌道切り替えと同じく、3月14日からホームが拡幅される。

なお、甲子園駅の改良工事は、残る武庫川~甲子園間の上り線の高架軌道への切り替えとほぼ同じ時期に、すべての工事を終えることになっている。

近鉄奈良線では、大阪府、東大阪市との連立事業である八戸ノ里~東花園間の高架化工事の内、仮線撤去と同時進行の若江岩田駅、河内花園駅の難波方面ホームの整備工事が残っているが、昨年秋に難波方面の軌道が高架化されて、難波~瓢箪山間の踏切がすべてなくなった。

近鉄は、名古屋線でも高架化工事を進めており、四日市市の川原町駅と、名古屋市中川区の伏屋駅で高架化工事が行われている。

以前、名古屋市中川区内を通る道路の拡幅工事と立体交差化工事に合わせて、戸田~伏屋間の高架化工事をしたが、現在はこの続きの部分から庄内川辺りまでの立体交差工事を進めており、伏屋駅が高架化される。

川原町駅の高架化も、四日市市内を通る道路との立体交差工事の一環で行われているようだ。

南海電鉄では、長年の懸案だった南海本線石津川~高石間の高架化立体交差工事を、大阪府、堺市、高石市の連立事業で進めている。

南海本線は、大阪湾沿岸部と山間部を結ぶ道路と踏切で交差していた箇所が多く、踏切での事故による列車の運行支障が多発したことから、在阪他社の先陣を切って1970年代から立体交差化に着手したものの、仮線用地の買収が難航する等で思うように進んでいなかった。

玉出(大阪市西成区)~石津川(堺市西区)間の高架化工事は、1960年代にはすでに構想が練られていたと言われ、堺市の中核駅だった堺駅の高架化を含む大工事を1980年代に竣工させたのだったが、工事途上の設計変更によって堺駅の仮駅を一部使用しないまま解体する等、予定より大幅に遅れて竣工した。

粉浜、住吉大社、住ノ江、七道、堺、湊、石津川の7駅が一気に高架化された、立体交差化工事としては相当大規模なものだったので、竣工の遅れはやむを得ない側面もあった。

天下茶屋~玉出間の高架化工事は、地下鉄堺筋線天下茶屋乗り入れ工事と並行して行われたが、工事範囲が大阪市西成区内に限定されており、大阪市と南海電鉄の連携もスムースだったことから、こちらはほぼ予定どおり竣工した。

この時点で、本線岸里駅と玉出駅が併合されて岸里玉出と改称され、高野線の岸里駅も同時に岸里玉出と改称された。

岸和田駅の高架化工事は、岸和田市の駅前再開発事業の一環であったし、泉佐野駅の高架化工事は、関西空港線との接続と泉佐野市の駅前再開発事業を合わせたものであり、鉄道運行の保安度向上が目的ではなかった。

泉佐野駅の高架化工事は泉佐野市の財政難から大幅に遅れ、関西空港開港に工事竣工が間に合わない事態となった(@_@)

南海本線の高架化工事で、計画から完成まで最も短期間で終えたのは、泉大津市内の高架化工事で、大阪府、泉大津市、南海電鉄の連携がスムースで、泉大津駅、松ノ浜駅の高架化がすでに完了し、泉大津市による泉大津駅前再開発事業も進んでいる。

現在進行中の石津川~高石間の高架化工事は、本来は玉出~石津川間の高架化工事と共に昭和時代に着手するはずだったが、閑静な高級住宅地である諏訪ノ森~浜寺公園の仮線用地買収が難航しただけでなく、高石市の財政難から羽衣、高石両駅の駅前再開発事業が頓挫する等で、昭和時代の1960年代後半には構想が練られたものの、実際に着工したのは2008年で、何と40年近くを要した。

工事の規模も大きく、完成までには今からさらに10年以上要すると見られる。

石津川~高石間は昔踏切事故が多発した区間でもあり、この高架化工事が完成すれば、諏訪ノ森、浜寺公園、羽衣、高石駅が高架化され、南海本線の運転保安度向上に多大に寄与することになる。

岸和田市の春木~和泉大宮間も昔から踏切事故が多発した区間で、かなり早い段階で高架化工事の構想が練られたが、今時点では着工する気配がなく、岸和田市は喫緊の課題であった岸和田駅前の再開発事業を先行したため、岸和田駅の高架化が行われたにとどまっている。

阪急電鉄は、京都線洛西口駅と、京都線と千里線が交差する淡路駅の高架化工事を進めている。

淡路駅の高架化工事は、阪急電鉄と東淀川区の相当昔からの懸案事項であったが、淡路駅付近で主要道路と交差していないことから、運転保安度向上ではなく、運転の質の向上(平面交差解消による運転時分の短縮等)、駅と電車利用客の利便向上が主目的となることから、当初は大阪市との連立事業とはならず、阪急電鉄の単独事業となっていたため、費用対効果を勘案すると、とても事業としては成り立たないものだった。

最終的には、淡路駅周辺の防災保安度向上を目的とした大阪市の土地区画整理事業の一環と、阪急電鉄の軌道によって分断された東淀川区民の生活向上を目的とした踏切除去を行う名目で、大阪市と阪急電鉄との連立事業となった。

前述の踏切除去の目的を果たすため、工事区間が京都線は崇禅寺駅付近から上新庄駅付近まで、千里線は柴島駅付近から大阪市と吹田市との境界までに拡大され、淡路駅だけでなく、千里線下新庄駅も新駅となることになった。

淡路駅前は、古くから東淀川区の要所として発展しており、駅のすぐ際まで住宅や店舗等が建っているので、仮線用地を確保することが困難であるし、淡路駅そのものが現状かなり狭い駅である。

京都線四条河原町方面、千里線北千里方面と京都線梅田方面、千里線天神橋筋六丁目、地下鉄堺筋線天下茶屋方面の、両方向別に二層高架化すると言う、ただでさえ難度の高い工事を、仮線工法ではなく現状電車が走っている軌道の上に高架構造体を構築する工法(直上高架工法と言う)で施工しなければならないため、工事が長期間に及ぶことはもちろん、費用も相当にかかることから、構想は早くからあったものの、上記のように大阪市と阪急電鉄との連立事業となるまで、着工出来なかったのだ。

なお、JR西日本が進めている、おおさか東線放出~新大阪間の延伸工事で淡路にも駅が設置されることから、淡路駅は阪急とJRの乗り換え駅の機能も持つことになる。

阪急淡路駅は現在より若干東側に移転されると共に、おおさか東線の軌道をオーバークロスするために4層構造の高架駅となり、淡路駅のホーム最上部は関西圏で最高層の駅となるとか。

関西で、直上高架工法で高架化したのは、近鉄南大阪線河堀口~針中野間の例しか知らない。

淡路駅は2017年度に高架新駅の供用が開始される予定だが、おおさか東線延伸は2018年度完成予定のため、当面は阪急淡路駅のみが移転されることになる。