レーサーにとって、まずここに立つことが予選での最大目標であり、そしてレースで誰よりも早くチェッカーフラッグを受けることが出来る可能性が一番高いのが、ポール・ポジション。


F1、Fポン等のスタンディング・スタートのレース、スーパーGT、スーパー耐久、アメリカのインディ・カー、NASCAR等のローリング・スタートのレース、どちらにおいてもポール・ポジションからのスタートは、レコードラインを支配出来るが、その効果が高いのは、ローリング・スタートのレースだ。


昔、F1では一律にコースの内側にポール・ポジションが設けられていたが、これに異論を唱えたのが、故アイルトン・セナだった。


アイルトン・セナは生涯で65回もポール・ポジションを獲得したが、この記録はミハエル・シューマッハーでさえ破ることが出来ていないし、恐らく出来ないだろう。


例えば、鈴鹿のコースのホームストレートのレコードラインは、基本的にスタンド寄りの外側だが、初期の日本グランプリでは、オフ・レコードラインの内側にポール・ポジションが設けられていた。


他のサーキットにおいても、レコードラインが外側なのに、ポール・ポジションは一律に内側に設けられていた所が多かった。


アイルトン・セナは、ポール・ポジションはレースを支配出来るところに設けるべきであり、一律に内側に設けるのはおかしいと異論を唱え、外側にレコードラインがあるコースでは、外側に設けるべきと主張した。


結果、セナの主張が認められ、鈴鹿のコース等、外側にレコードラインがあるコースでは、外側にポール・ポジションが設けられるようになった。


ミハエル・シューマッハーがF1デビューしたのは、このシステムが導入された後だった。


スタンディング・スタート、ローリング・スタートのレース共に、フォーメーション・ラップではタイヤに熱を入れるため、ウィーヴィング(コースをジグザグに走り、走る距離を多くする)するが、ローリング・スタートのレースでは、最終コーナーからホームストレートに差し掛かる手前でウィーヴィングをやめ、ポール・ポジションを獲得したマシンは、レコードラインを保持しながら、シグナルが青になるのをマシンをゆっくり走らせて待つのだ。


後ろのマシンは、ポール・ポジションのマシンにプレッシャーをかけ、その間隙を縫ってホールショットを奪おうとする。


スタンディング・スタートのレースでは、味わえない醍醐味だ。


スタンディング・スタートのレースにおいても、ローリング・スタートのレースにおいても、スタート時にホイール・スピンして、スタートで遅れを取るマシンは必ずと言っていいほどいるが、ローリング・スタートのレースでは、ホイール・スピンどころか、スピンしてホームストレートでマシンが一回転したこともあった。


しかし、スピンしたマシンは一回転してもちゃんと体勢を立て直したし、後続のマシンは、回転したマシンを避けて、チャンスとばかりに抜いて行ったのだ。


今、スタンディング・スタートのレースでは、キレイにスターティング・グリッドにマシンを並べるが、昔は結構いい加減で、グリッドに斜めに入るマシンもいたし、まれだったが、グリッドを間違えたドライバーもいたし、今のようにシグナルがブラックアウトするのではなく、赤から青にシグナルが変わったのだが、その前にマシンが少し位動いても、お構いなしにスタートしたものだ。


今のレギュレーションでは、入るグリッドを間違ったり、シグナルがブラックアウトする前にマシンが動いたら、ドライヴスルーのペナルティになる。


近年のレースで、ほとんど見かけなくなったのが、フォーメーション・ラップ中に、コースアウト以外でマシンの隊列が乱れることだ。


昔は、スターティング・スタートのレース、ローリング・スタートのレース共に、年に1回はあった。


ちなみに、フォーメーション・ラップ中に隊列が乱れた場合は、フォーメーション・ラップはやり直しとなって1周追加され、逆にレース・ラップは1周減算される。


また、隊列を乱したマシンは、ドライヴスルーのペナルティとなる。