あの時代…

まだ世の中ガラケー優勢だった時代。


何のきっかけだったかは忘れてしまったけれど、あるサイトで気の合う者同士が集まり個人チャットやグループチャットで毎日毎日文字だけの会話をするようになった。

私が仲良くしていたメンバーは北は岩手〜南は沖縄、性別も年齢も様々な顔触れが揃っていた。

既婚者も独身も、それを隠すメンバーも。


同じ頃モバゲーというサイトが広く知られるようになり、私達も揃ってモバゲーに引っ越しをした。


それぞれが個性的なハンドルネームとアバターで楽しんだ。

因みに私のハンネは「美咲嬢」でした♥

おやっ!と思われた方はご連絡を(笑)


楽しかったなぁ。

いい大人が揃ってサークル作ってワイワイやって、携帯小説書いて批評し合ったり。

悩みを打ち明けあったり。

オフ会したり…。

現実逃避できる場所でした。



ある日突然、その場所は無くなった。


当初からリーダー的な存在だった男性。

サイト上でも電話をしてもオフ会でも、常にみんなを楽しませてくれた人。

頭の回転が速い人だったなぁ。


当時、私は地元の新潟で暮らしており(現在は埼玉)その人は静岡でした。

気が合った私達は当初から頻繁に電話で話していた。(その人には奥さんがいたのでこっそりと…)



異変は突然やってきた。


楽しみだったモバゲーのその人の日記が更新されなくなった。

ほぼ毎日更新していたに…

誰の日記にもその人からのコメントが入ることもなくなった。

私も他の仲良しさんも、その人の最後の日記に「元気?」…とコメント入れ続けた。


普段から「俺、血圧かなり高いからヤバいんだよ。でも酒と煙草はやめられない!」

明るく笑い飛ばしてたあの声を思い出す。


おかしいな…。


電話してみても出ない。

何度かけても出ない。



そのまま一ヶ月位が経ったある日…

私の日記のコメント欄に


「◯◯さんのことでお話があります。ここには書けないのでメッセージしても良いですか?」


見慣れないハンネのその人のプロフィールを見に行くと、連絡がつかない人とは同郷で、私達とは別に交流をしていた人でした。

今はあまり使わない言葉で言うと「リア友」でした。



その時、私の心は何とも言えない不安でいっぱいになっていた。

嫌な予感…



届いたメッセージには…



「◯◯さんは、亡くなったんですよ。仕事中に倒れてそのまま意識が戻らないまま…」



その後、私がどんなメッセージを返したか、それにどんなメッセージが返ってきたか覚えていない。


その日から私は何年もモバゲーを開くことはなかった。


ある時、ふと開いてみた。

美咲嬢はそこにいた。

時が止まったその場所に。

その人のアバターは笑ったまま。

その人の年齢は41歳で止まったまま。


一通り目を通して退会した。


あの時代、同じ時代を共有した人達。

それきり連絡を取ることはなかった。




何年ぶりだろう。こんなに思い出したのは。

悲しみは時間が癒やす…本当ですね。


思い出させてくれてありがとうございます✨