(セ・リーグ、広島1-1阪神=9回規定により引き分け、24回戦、広島12勝11敗1分、23日、マツダ)


絶対に落とせない一戦を、5投手の魂の継投で落とさずにすんだ。マウンドの上でバトンをつなぎ、抑えのスアレスが九回を締めて勝ちに等しいドローに持ち込めた。自身の『任務達成』に胸を張り、すぐさま虎投の思いを代弁した。


「大事な試合で仕事ができてよかったですし、明日(24日)勝てるように頑張りたいと思います」


1-1の九回。先頭の西川は二ゴロ、続く鈴木誠は内角高めの直球でバットに空を切らせた。坂倉には中前打を許し、代走・曽根に二盗を決められたが、動じない。最後は菊池涼を158キロで中飛に仕留め、13試合連続無失点とした。セーブ機会ではないが、絶対的守護神がカープ打線の前に仁王立ちした。



最後まで必死に流れを引き寄せようと、先発・秋山も5回3安打1失点の力投をみせ、六回からアルカンタラが三者凡退とリズムを作り、「次にいい形でつなぐことができてよかった」と胸を張った。七回に待望の同点打が坂本のバットから生まれ、その裏は3番手の馬場も無失点投球で「秋山さんとアルカンタラもいい投球をしていた。自分も絶対に0点で抑える気持ち」と汗をぬぐった。八回は岩崎が三者凡退に抑え、虎が誇る強力ブルペン陣に、ほんの少しの隙もなかった。



矢野監督も必死の継投策を「もうあと残り少ないから。うちは負けてはダメなので。引き分けでも(逆転Vに)つなげられるということがあったから。(相手先発が)森下で苦しい中、投手が本当によく粘ってくれて」と振り返った。


「今、打線も決していいとはいえない。チカ(近本)のけがもあるし、その中でなんとかしようという粘りはみんな見せてくれている。それが引き分けにつなげてくれた」


シーズン残り2試合も、矢野虎が投手陣の総力を結集する。大逆転Vへの望みは、絶対に捨てない。


■データBOX阪神は今季の広島との対戦成績が11勝12敗1分けとなり、24日の最終戦に勝っても12勝12敗1分けのタイ。今季はすでにヤクルト、巨人、中日、DeNAには勝ち越しを決めているが、1962年以来59年ぶり2度目となるセ・リーグ全球団への勝ち越しはならなかった。