藤浪が1度きりのチャンスでアピールに成功した。1軍合流初日で即登板し、1回無失点の快投。滑り込みでCSメンバー入りする可能性が出てきた。


「自分の感覚としても悪くはなかったのかなと思います」


7番手で2点優勢の9回のマウンドに上がると、社会人に格の違いを見せつけた。先頭打者は156キロで詰まらせて力ない二直。残り2人はカットボールと154キロの直球で続けて空振り三振。最速157キロを計測するなど、力でねじ伏せる圧倒的な内容で存在感を示した。


秋山、スアレスら本番へ向けて最終調整した面々に負けず劣らず持ち味全開のパフォーマンスを披露。矢野監督も「しっかりと伸び伸びと投げられていたと思うしね、良かったと思っている」と評価した。9月10日に登録を外れて以降は再昇格できず、10月は「みやざきフェニックス・リーグ」に参加。ようやく『昇格』を果たし、10月18日以来の実戦で次につながる3アウトを奪った。


起用法からもCSではブルペン要員でのメンバー入りを目指す立場。指揮官は「斎藤と晋太郎が結構、良かった。どこでどうなるか分からないので、そういうピッチャーを見られたのは収穫。残り2試合をやりながら考えて」と当落選上にいることを示唆した。


「与えられた場面でしっかり仕事ができるように準備していきたいなと思います」


早い段階での継投や大胆な起用もあり得る短期決戦だけに、背番号19はファーストS突破への『起爆剤』になり得る。


▽藤浪のCS…新人の13年から14、15、17年まではチームのCS進出に伴い、各年1試合ずつ登板し、1勝1敗で防御率2・70。前回進出の19年はメンバー外だった。巨人とは先発で2度対戦。14年はファイナルS第1戦では7回6安打1失点の勝利投手。15年はファーストS第1戦では6回7安打2失点で勝敗つかず。救援は17年DeNAとのファーストS第3戦で経験。5回からの2イニングを1安打無失点に抑えた。