久々に放った『らしい』打球が、わずかな可能性をつなぎました。佐藤輝明内野手(22)が、18日の広島戦で、右中間を深々と破る二塁打。相手が打球処理にもたつく間に、さっそうと三塁まで進み、塁上でホッとした笑顔を見せてくれました。

「めちゃくちゃ久しぶりだったのでうれしかったです」

長打を放つのは球団新記録の23号をマークした8月19日のDeNA戦以来、実に60日ぶりでした。帰ってきた最大の魅力でもある長打力。この一本で、今季の二塁打は25本目とし、坪井智哉(26本)が持つ球団新人記録まで、あと「1」に迫っています。

19日から首位・ヤクルトと甲子園で最後の2連戦が始まります。連敗すれば、目の前で、甲子園で胴上げを許してしまう屈辱…。今季、佐藤輝はヤクルトとの対戦打率・150と決して相性がいいわけではありません。それでも、これまで数々の伝説を打ち立ててきたこの男なら、打席に立つだけで空気を一変させるこの男なら…。奇跡の大逆転劇を信じたいと思います。