ミスタータイガースの道を歩む!阪神からドラフト4位で指名された前川右京外野手(18)が18日、奈良・五條市内の同校で畑山統括スカウト、山本スカウトから指名あいさつを受けた。高校通算37本塁打のスラッガーはフルスイングを貫くことを宣言。1974年の掛布雅之以来の虎高卒新人アーチを目指す。


豪快な打球を生み出す大木のように太い四肢は、制服の上からでも一目瞭然だった。前川は1年目からアーチを狙う。ミスタータイガース、掛布氏の足跡をたどる。


「自分の魅力はフルスイング、しっかりバットを振って強い打球を打つというところなので、そこを忘れずにやっていきたい」


高校通算37発。今夏の甲子園でも2本塁打を放ち、準優勝に貢献した。「1年目から活躍できるようにしたい」。結果がすべて、というプロの世界に飛び込むだけに、並々ならぬ覚悟を示した。



球団の高卒新人が本塁打をマークすれば、1974年の掛布雅之(シーズン3本)以来、48年ぶり。2020年に履正社高からドラフト2位で入団した井上広大は1打点こそ挙げたものの、フェンスオーバーはかなわなかった。「そんな簡単な世界ではないと思うけど、プロ野球選手になるからには活躍していかないといけない。自分の中でも引かずに強く意志を持ってやっていきたい」と前川。大舞台になればなるほど力を発揮するスラッガーが壁を乗り越える。


プロ入りへ、木製バットでの素振りを日課としている。関係者を通じて手に入れた2本の相棒は高校の先輩である巨人・岡本和と、前監督・金本知憲氏のモデル。前者はグリップからヘッドまで全体的に太く、後者は比較的細めだ。今春、あるテレビ番組で直接指導してくれた金本氏からは「腰の回転が平行に回せるように」とアドバイスをもらった。下地はすでにできつつある。


「日本を代表するようなバッターになれるように、くじけずに前を向いて頑張っていきたい」


目標は大きく、打球は遠く。希望に満ちあふれた前川が掛布ロードから、虎の将来を担う。


★1974年の掛布雅之VTR千葉・習志野高からドラフト6位で阪神に入団。3月21日、太平洋とのオープン戦で「7番・遊撃」でスタメン出場し、エースの東尾修からマルチ安打。下馬評を覆し、開幕から1軍に定着。遊撃のポジションには藤田平がいたため、D1位・佐野仙好と三塁の定位置を争った。1年目は83試合に出場し、打率・204、3本塁打、16打点だった。