キリシキです!阪神からドラフト3位で指名された桐敷拓馬投手(22)が14日、新潟市内のホテルで畑山統括スカウト、吉野スカウトから指名あいさつを受けた。即戦力と期待される左腕は、プロで活躍して全国に120人しかいないとされる桐敷姓を全国に浸透させることを誓った。



■「名字が全国に広まってほしい」


「キリシキ」。日本全国の野球ファンに覚えてもらいたい。桐敷は、畑山統括スカウトから「即戦力として考えている」と期待の言葉をかけられると熱い思いを語った。


「自分が野球で頑張って、桐敷という名字が全国に知れ渡るといいますか、広まってほしいという思いがあります」


桐敷という名字は埼玉県を中心に全国でおよそ120人とも言われている。「よく珍しいって聞かれます。(親戚で)何人かと、あとは(実家の)隣の家が桐敷です。僕が知っているのは、それくらい」。「キリシマ」と読み間違えられることも多かったという。


■最速150キロ!三振取るタイプ


プロの世界で活躍すれば新聞やテレビなどを通じて大きく報じられる。「珍しい名字ですし、それは本当にうれしいことです」。最速150キロにフォークやスライダーを織り交ぜて三振を取るタイプ。矢野監督も「真っすぐの強さと、ちょっと落ちる系に、結構いいイメージがある。ウチの(1軍)投手陣に入って勝負できる」と期待を寄せているだけに、名実ともに存在感を示したい。


一方で、虎の『珍名』といえば、活躍につながりにくいというジンクスもある。1965年の第1回ドラフト会議では香川・土床高から投手の石床幹雄を1位指名。通算21試合に登板し、わずか1勝に終わった。82年D1位は大分・日田林工高の投手、源五郎丸洋で1軍登板機会なし。今度こそ桐敷が強烈なファーストインパクトから表舞台で活躍する。


「ここから開幕までの期間が一番大事。この期間をしっかりやらないとプロの世界では通用しないと思うので、しっかり地道に(トレーニングを)やっていきたい」


■憧れ工藤公康のように息長く


新潟医療福祉大ではトレーニング部門などを学ぶ。憧れは西武、ダイエーなどでプレーし、48歳まで現役を続けた工藤公康。ジンクスを打ち破り、「桐敷」を息長く、全国にとどろかせる。


◆桐敷について吉野スカウト「落ちる球があって三振が取れるし、先発、中継ぎ、どちらでもできるタイプだと思う。体が強い子なのでトレーニングを積み重ねれば、まだまだ伸びる」


★虎の珍名あらかると


源五郎丸洋(げんごろうまる・ひろし)…投手。日田林工高から1982年D1位で入団。ユニホームに名前が収まるか心配された。1軍登板なし。


白仁田寛和(しらにた・ひろかず)…投手。福岡大から2008年大・社D1巡目で入団。阪神では通算6試合で1勝0敗も、14年オフにトレードでオリックス入りし15年は43試合に登板し2勝2敗2ホールド。現在はタイガースジュニアチーム監督。


小豆畑慎也(あずはた・しんや)…捕手。西濃運輸から12年D4位で入団。1軍出場なし。


田面巧二郎(たなぼ・こうじろう)…投手。JFE東日本から12年D3位で入団。育成枠を経験するも16年に支配下再登録され4試合に登板。通算0勝1敗1ホールド。