阪神からドラフト4位指名された智弁学園・前川右京外野手(18)が18日、奈良県五條市の同校で畑山俊二統括スカウトと山本宣史担当スカウトから指名あいさつを受けた。既に同校OBの巨人・岡本和と通算476本塁打の金本知憲氏のモデルを使って木製バットへの対応を模索中。高校通算37発を誇り、1年目からの1軍出場を期した。

前川は制服の上からでも強打者のオーラを漂わせた。「1年目から引くことなく強気で練習にも取り組んで、活躍できるようにしたい」。準優勝した今夏の甲子園大会では打率・455、2本塁打。きっかけは大打者との出会いだった。

3月にテレビ番組の企画で同校を訪れた前阪神監督の金本氏から直接指導を受ける機会に恵まれた。当時は絶不調。「腰の回転が平行に回れるようにと。上に上がったらスイングも変わるから、平行に…と」。以降はバットのヘッドも走るようになり、本来の調子を取り戻した。

いまは中堅方向への打撃と確率の高さを意識して練習。鍵を握る木製バットへの対応にも着手した。用具メーカーから支給されたOBの巨人・岡本和と金本氏のモデルを使用。形と重さが違う形状の2種類で自分に合う形を試している。「岡本選手はグリップが太い感じで、金本選手は等間隔というか、一番振りやすい感じで振っている」。理想は両者の間ぐらいの太さ。思い描いた『融合』が改めて長距離砲の資質を感じさせた。

担当の山本宣史スカウトには「将来的には前川、井上、佐藤輝で大きいのを打てる外野手が増えたらと思って推薦しました」と太鼓判を押され、将来の和製クリーンアップ誕生へ大きな期待を背負った。高卒1年目で本塁打を打てば、74年掛布雅之以来の快挙。「そんな簡単な世界ではないと思うんですけど…」。そんな謙虚な姿勢も期待感を大きく抱かせた。

【前川と一問一答】

-ドラフト指名で周囲の祝福は。

「数えられないぐらいだったので、すごくありがたいなという気持ちです」

-市和歌山・小園はDeNA1位。同一リーグで対戦できる。

「お互い1軍に上がって対戦したい。次は打つという気持ちで。自分のスイングで戦いたい。魅力はしっかりバットを振って、強い打球を打つというところなので、そこを忘れずにやっていきたい」

-甲子園は左打者に不利な浜風が吹く。

「浜風に負けないぐらいバットを振って、力をつけて浜風が吹いてていても飛ばせるように準備したい」

-高校の先輩には巨人・岡本和がいる。

「4番で活躍されてます。いずれは自分もそういった選手になれるように。目の前のことをコツコツやっていたら、その先、いいことがあると思うので、丁寧な練習、野球をやっていきたい」