「プロ野球ドラフト会議」(11日、都内ホテル)

今夏の甲子園で2本塁打を記録し、チームを準優勝へ導いたスラッガーの前川右京外野手(18)が、阪神から4位指名を受けた。奈良県五條市の同校で会見し「選んでいただいて、とてもうれしい」と笑顔を咲かせながらも「すごいファンの方々がいて、伝統ある球団。活躍できるように必死に頑張りたい」と緊張の面持ちで語った。

まさに甲子園の申し子だ。高校1年で初めて名門の4番を担い、昨夏の交流試合を含めて4度甲子園に出場。今夏の甲子園では打率・455、2本塁打、7打点と活躍した。高校通算37本塁打の強打者は「甲子園のグラウンドの距離感や打席から見る風景は人より多く見ている。誰にも負けないように頑張りたい」と慣れ親しんだ聖地に思いをはせた。

「入学した時から甲子園優勝とプロ野球選手になることをぶれずに目指してきた」。プロ入りは初志貫徹したが、今夏の決勝で智弁和歌山に敗れて日本一の夢にはあと一歩届かなかった。舞台はプロへと変わる。「自分が活躍して日本一になるのが目標。そのためにも今できることを積み重ねていく」。憧れ続けた世界だからこそ厳しさは理解している。地に足をつけて、もう一つの夢もかなえてみせる。

◆前川右京(まえがわ・うきょう)

◆生まれ…2003年5月18日、三重県津市出身。

◆サイズ…176センチ、88キロ。

◆名前の由来…画数と響きで決められた。

◆投打…左投げ左打ち。

◆家族構成…父、母、兄。兄の夏輝さん(20)は津田学園から19年春夏の甲子園に出場。

◆球歴…小1で野球を始め、一身田中では「津ボーイズ」に所属。高校1年夏に4番に座る。高校通算37本塁打。

◆憧れの選手…オリックス・吉田正。

◆長打力…智弁学園・小坂監督は教え子の巨人・岡本和と「飛ばす距離はほとんど同じ。捉える力が優れている」。