「プロ野球ドラフト会議」(11日、都内ホテル)

運命の赤い糸に結ばれていた。外れ1位で高知・森木大智投手(18)との交渉権を獲得した矢野燿大監督(52)は「まさか残っているとは思っていなかったのでビックリ。ある意味ラッキーかな」と笑顔を見せた。

熟考の末に即戦力左腕の西日本工大・隅田ではなく、高校生右腕の市和歌山・小園を1位に指名した。

DeNAとの2球団競合となって抽選へ。「先にもう引かれてしまった状態だったんで」。先に封筒を取った三浦監督が当たりを引いたように、昨年、佐藤輝を引き当てた『黄金の右手』を発揮する場面は訪れなかった。

外れ1位の選択はスムーズだった。森木は小園、隅田とともに最終盤まで残っていた1位指名の有力候補だ。他球団の指名がその段階でなかっただけに、自然な流れだった。

「タイガースにこうして縁があったんで。僕たちも高知にキャンプに行ったりもして縁がありますし。この縁を大事にして」。指揮官は何度も『縁』という言葉を用いながら交渉権獲得を喜んだ。

高知県出身の高校生を1位で獲得するのは1998年の藤川以来となる。「スケール感の大きな、ローテーション投手という枠を超えたチームの代表になれるピッチャー」と指揮官。球界のレジェンドとなった球児に比肩する存在に育つことを期待した。