「2021年プロ野球ドラフト会議・supported・by・リポビタンD」が11日、午後5時から東京都内のホテルで開催される。阪神は10日に都内のホテルでスカウト会議を行ったが、1位指名選手の決定は当日に持ち越した。将来性なら市和歌山・小園健太投手(18)、即戦力なら西日本工大・隅田知一郎投手(22)が候補。高知・森木大智投手(18)を一本釣りする可能性もある。


1位指名を公表する球団が例年より少ない中、阪神は今年も最終決定を当日に持ち越すことになった。


「いいピッチャーは全部欲しいし、いいバッターも全部欲しい(笑)。全員ちょうだい!」。この日午後から行われた約1時間半のスカウト会議後、オンライン取材に応じた矢野監督は笑顔でけむに巻いたが、すでに投手を1位指名する方針は固まっている。その候補も小園と森木の高校生右腕、即戦力左腕として期待がかかる隅田の3人にほぼ絞られている情勢だ。


高校生の好投手について指揮官は「誰が見ても評価されるポテンシャルを持っている。全員欲しいような素材には間違いない」と断言。一方で大学、社会人に多くいる隅田ら左腕については「どこも左は欲しいと思うけど、どう評価するかは球団の考えが出てくるのかな」と分析した。


特に先発の左腕が不足しているチームにとっては、即戦力となる左腕は是が非でも欲しいところ。現場サイドが隅田を求めている一方で、球団は将来性豊かな高校生右腕の獲得を望んでいるもようだ。


畑山統括スカウトは「競合は関係なしに、うちが一番欲しい選手を指名していきたい」と言い切った。隅田はすでに公表している西武をはじめ数球団が1位で指名する可能性がある。また完成度の高さだけでなく、伸びしろもある小園もオリックスなど複数球団の1位指名が予想される。あるいは、あえて『一本釣り』の可能性もある森木を狙っていく決断もありそうだ。


矢野監督は「何もまだ聞いてないけど多分、俺が引くと思うけど…(笑)」。4球団競合の末に黄金ルーキー・佐藤輝の『大当たりくじ』を引き当てた昨年に続き、大役を担う覚悟はできている。


「『いいドラフトだったな』というね、なんかこうワクワクするような、そういうドラフトにできればいいな」と矢野監督。今年も黄金の右手が発動するのか。1位指名の最終決断に注目が集まる。