「プロ野球ドラフト会議supported・by・リポビタンD」が11日、都内で開催される。阪神は10日に都内でスカウト会議を行い、1位の最有力候補として高知・森木大智投手が浮上した。「球児2世」の呼び声高い最速154キロ右腕の指名が競合すれば、昨年ドラフトで佐藤輝を引き当てた矢野燿大監督(52)が「黄金の右手」を繰り出す。即戦力左腕の西日本工大・隅田知一郎投手、市和歌山・小園健太投手もリストアップしている模様で、当日に1位指名選手を最終決定する。


約1時間半のスカウト会議に出席した矢野監督は、オンライン取材で思案顔を浮かべた。「まあ難しいけど、でも名前が挙がっているピッチャーはみんないいよ。やっぱり。高校生の3人(森木、小園、風間)も素晴らしいし、大学生の左投手たちも素晴らしいし。これは本当に難しいね。でも言うたら記事になるし(笑)」。例年通り1位の公表はせず。選手の具体的な名前を挙げることはなく、すべては当日のお楽しみと言わんばかりだ。


現時点で1位指名の最有力とみられるのが、高知・森木だ。甲子園経験こそないが、最速154キロを誇る土佐の豪腕だ。阪神は早くからその才能に着目。ドラフト1位候補として動向をチェックしてきた。まだ伸びしろも十分で将来性を高く評価。チームには若手のホープ西純矢らがいるが、高卒の有望選手をさらに指名し、投手力強化に動く。


さらに即戦力として真っ先に名前が挙がるのは、西日本工大・隅田だ。今年に入って急激に評価を上げ、すでに西武が1位指名を公言。1軍で先発ローテを任せられる左腕は、高橋とルーキー伊藤将だけという阪神にとっても、喉から手が出る存在だ。その他に高校生右腕の市和歌山・小園を1位候補としてリストアップ。また外れ1位候補には、新潟医療福祉大の左腕・桐敷拓馬投手が挙がる。


競合も覚悟の上で入札する。抽選役を務めるのはもちろん、矢野監督だ。昨年ドラフトでは4球団競合の末に近大・佐藤輝の交渉権を獲得。ドラフト会場をどよめかせた黄金の右手が注目されるが、「(験担ぎは)去年も何もしなかったんでね。あまり意気込んでいかずにいけたらなと思う」と自然体を強調した。


激しい優勝争いの真っただ中のドラフト開催となるが、矢野監督は虎ファンに夢を届けると誓った。「ドラフトはドラマ性もあるし、ファンの方も指名される選手もドキドキ、楽しみというのもやっぱりあると思うので、そういうふうに思っています」。就任1年目は19年は西純、及川ら高校生を次々と指名。20年は佐藤輝を引き当てた。今年はどんなドラマが生まれるか、歓喜の矢野ガッツが飛び出すか、注目される。