チームの窮地をブルペン待機していたルーキーの伊藤将が救った。先発した西勇の緊急降板で序盤から継投を強いられる展開の中、3番手で3回を1安打無失点。登板21試合目でプロ初となる中継ぎでも、力を最大限に発揮した。


「中(リリーフ)はあるかないか分からない状態の中でいくので、切り替えが難しかった。その中で3イニングをしっかり抑えられて良かったです」


今週は先発での登板機会がないため、前日12日からベンチ入りして出番を待った。同点に追いついた直後の4回に登板すると3者凡退で発進。5回は先頭の菅野に中前打を許したが、松原を空振り三振。坂本は中飛に仕留め、丸を3球三振に斬った。6回も危なげなく3つのアウトを奪ってバトンタッチ。矢野監督も「初めてで難しいところもあったと思うけど、しっかり投げてくれた」と称えた。


7日のDeNA戦では5回2失点(自責0)の力投も、リリーフ陣が逆転を許して9勝目は幻となった。それでも、気持ちを切り替え、難しいミッションを完璧に遂行。「社会人とかでも(救援は)やってきたので、不安とか戸惑いはなかった」と頼もしかった。


「中でもしっかりと仕事ができることはアピールというか、できたかなと思います」。開幕から先発ローテーションの一角として8勝する新人左腕が見せた対応力。残り9試合のシーズン、そしてクライマックスシリーズから始まるポストシーズンへ向けても好材料となりそうだ。