青柳晃洋投手(27)が12日の巨人戦でリーグ最多に並ぶ12勝目を挙げた。走者を背負いながらも7回1失点の力投で最多勝の初戴冠へ可能性をつなぎ、14年ぶりの巨人戦勝ち越し決定にも貢献した。残り10試合で首位のヤクルトに2ゲーム差。もちろん、逆転優勝も諦めない。


大きなヤマ場を乗り越えた。2-1の7回2死一、二塁。坂本を遊ゴロに仕留めて反撃をかわし、青柳はホッと息を吐いて安堵の笑顔を浮かべた。


「ピンチで1点を取られましたけど、粘れたので、よかったかなと思います」


6回に丸に適時二塁打を許して1点差に迫られても、最少失点で踏みとどまった。特に7回は2死一塁から立岡の三ゴロを佐藤輝が失策。「輝(佐藤)がエラーしたので、絶対に点は取られちゃいけないなと思って投げた」と後輩を救った。


坂本に対しては初球にこの日初めてカーブを投げた。ツーシーム、スライダー、シンカーなどで組み立ててきた中、勝負どころでは読みも乱し、フルカウントから内角へ渾身のツーシームで打ち取った。3年連続規定投球回をクリアし、広島・九里と並んでリーグ最多の12勝目。初のタイトル獲得に向けても望みをつないだ。


「僕に勝ちはついていますけど、チームも勝って優勝に向けていけるというのはよかった」


今季2度目のバッテリーを組んだ坂本とも息の合った投球を展開し、矢野監督からも「丁寧にいきながら、その中でも攻めるところはしっかり攻めるというね。2人の意識というのがすごく出ていたからこそ、粘れたと思う」と称えられた。


14年ぶりの巨人戦勝ち越しも決定。仮に2位で終えた場合もクライマックス・シリーズファーストステージでの激突が見込まれるだけに弾みをつけた格好だ。もちろん、最後まで頂点を目指す戦いは続く。「優勝の可能性がある限り自分の目標より、どんな形でもチームが勝てるように頑張りたい」とファイティングポーズを崩さなかった。