スアレスは圧巻の投球だった。9日のヤクルト戦に続き、今季2度目の8回途中からの登場。しかも2死満塁の窮地だった。重圧のかかる場面をものともせず、両リーグ最多、球団史上3人目(4度目)となる40セーブの大台に到達した。


「しっかりと勝っている状態でチームも良い運びをしてくれたので、なんとかそれをつなげたいと思って。最終的に勝利に結びつけられて良かったです」


2-1の8回。岩崎が2四球を与えるなどして塁がすべて埋まった。岩崎が7回から登板し、最初から8回に備えていた3日前とは違う。正真正銘の前倒しだ。


対峙したのは得点圏打率・356を誇るウィーラー。カウント1-1から内角158キロのツーシームで遊ゴロに押し込み、3球で絶体絶命の窮地を脱した。9回は1死から立岡、坂本を連続の空振り三振に仕留め、回をまたいで打者4人斬り。最後の13球目は最速162キロまで上がった。


この3連戦後は試合が2日なく、開幕から先発ローテーションの一角を担ってきた新人の伊藤将がブルペン待機した。最終盤ならではのスクランブル態勢にあって最後の砦として仁王立ちした。


「セーブ機会をものにするのはもちろん、監督に言われたところでしっかりと自分が力を発揮できるように。まだ試合が残っているので、全部勝てるように準備したい」


矢野監督も「もういってもらうしかない状況。岩崎もスアちゃんも体も疲れているんですけど、本当に最後の力を振り絞って頑張ってくれている」と最敬礼だった。