(セ・リーグ、ヤクルト1-2阪神、22回戦、阪神12勝7敗3分け、9日、神宮)

前夜の自力優勝消滅のショックを、大山が一回の先制タイムリーで振り払った。主砲の意地が連敗中だった虎を目覚めさせ、シビれるような試合展開を競り勝った。

「先制のチャンスで、どんな形でもランナーをかえしたいと思って打席に入りました。(野手の)間を抜けてくれてよかった」

0-0の一回。先頭の近本が四球を選び、1死後にマルテも四球で出塁。一、二塁から背番号3がヤクルト先発・高橋のチェンジアップをはじき返し、しぶとく三遊間を抜いた。先制の左前適時打で今季の自身最長を更新する10試合連続安打とし、四回にも左前打で28度目の複数安打をマークした。

8月は月間打率・196と苦しんだが、9月は同・313と復調。しかも今月に入ってからは全8試合で打率・355(31打数11安打)、4本塁打、8打点とさらに状態をあげてきた。矢野監督も「ここにきて悠輔(大山)もいいヒットが多くなってきてるし、もちろん打点を挙げてもらうバッターなので。残り試合少ないけど、悠輔に、打って勝たせたという打点を挙げてもらえたら」とさらなる期待を込めた。

この日の2安打で、対ヤクルト戦は打率・329に上昇。4本塁打もチーム別でトップタイだ。この先も覇権を争うライバルを得意にしているのも心強い。大山のバットから、奇跡のような逆転Vへの道を切り開く。