(セ・リーグ、ヤクルト4-1阪神、21回戦、阪神11勝7敗3分、8日、神宮)


好調の左腕も燕の勢いを止められなかった。中5日で先発した高橋は5回7安打4失点で降板。ヤクルトにマジック11を点灯させた責任を一人で背負い込んだ。


「大事な試合で先発させてもらった中で、試合を作ることができず、申し訳ないです」


必死に声を振り絞った。一回、2死一塁で村上にカットボールを右中間に運ばれると一走・山田が本塁に突入。微妙なタイミングながら、判定はセーフ。矢野監督はリクエストしたが、リプレー検証で判定は覆らず、連続イニング無失点は「27」で止まった。二回は2死を奪った後、西浦に左翼ポール直撃の一発を被弾。登板5試合&31イニング目での今季初被本塁打だった。


矢野監督は「(ヤクルトの先発)奥川もよかったので、もうちょっと粘ってくれたら…というのはあるけど、(高橋)遥人も勝負にいった結果」と責めはしなかった。残念だったのは、四回に大山の一発で1点差に詰め寄った後の2失点だ。五回、1死二、三塁から塩見に2点打を浴び、反撃ムードに水を差してしまった。



春季キャンプ中に右脇腹痛などで出遅れ、復帰2戦目の9月18日の中日戦で今季初勝利。同25日の巨人戦、10月2日の中日戦と2試合連続完封勝利を飾り、指揮官も「現状、調子がいいのは遥人」と期待をかけ、中5日で大一番の先発マウンドを託しただけにショックは計り知れない。


自力Vの可能性が消滅し、ヤクルトに優勝マジック「11」が点灯したが、まだなにが起きるかわからない。アクシデントがない限り、高橋は次も中5日で14日の巨人戦で先発し、再び中5日で20日のヤクルト最終戦のマウンドに立つ予定。


「まだ(今季は)何にもできていないし、ここから少しでもチームに貢献したい」


先発の軸と期待されながら3勝しか挙げられていない左腕の口癖だ。落ち込んではいられない。神宮の屈辱は12日後の甲子園で、必ず晴らしてみせる。