◆JERAセ・リーグ◆DeNA4-3阪神(7日・横浜)


思わずベンチを飛び出した。1点リードで迎えた8回、及川が1死二塁のピンチを招き、ソトを迎えたところで、矢野監督は就任以来、2度目となるマウンドへ向かった。


「ここで投げさせていいと思ってお前を使っている。思いきっていけ!」


自らの言葉で鼓舞した。だが、20歳左腕は、2ボール2ストライクから甘く浮いたツーシームをジャストミートされた。悲劇を告げる放物線がバックスクリーンを直撃。痛恨の逆転被弾で連勝が5で止まった。


結果的にはソト勝負が裏目。矢野監督も責任を背負った。「プロである以上、やられる時もある。この悔しさを今後につなげてくれたら」。3連投中だったスアレス、岩崎を温存するため、8回は及川に託さざるを得ないチーム事情もあった。10月に入り、防御率0・00と獅子奮迅の働きを見せていた救援陣がついに力尽きた。


試合終了から18分後、首位・ヤクルトがサヨナラ勝ち。9月28日から1ゲーム差で食らいついてきたが、今季最大の2ゲーム差に。8日の直接対決で引き分けか黒星で自力Vの可能性が消滅する。6月には2位に7ゲーム差をつけていたが、逆に崖っぷちに立たされた。


「一個の勝ちが大きいし、一個の負けも大きい。今までやってきた野球を思いきってぶつけるしかない。みんなの必死な思いは俺も重々分かっている。直接対決でしか上に行くチャンスが少なくなってきている。明日、まずしっかり取れるようにやっていきます」と矢野監督は必死に前を向いた。16年ぶりのリーグ制覇が遠のく今こそ、意地を見せるしかない。