◆采配が裏目に

阪神が1点リードで迎えた8回裏に痛恨の一発を被弾し、逆転負け。同日の試合でサヨナラ勝ちを収めた首位・ヤクルトに2ゲーム差をつけられ、明日からの直接対決を迎えることになった。

横浜スタジアムでDeNAと対戦した阪神は、3回にマルテの適時二塁打と大山悠輔の20号2ランで3点を先制。5回に先発の伊藤将司が自身のミスなども絡み2点を返されるが、リードを守ったまま5回を投げ切ると、6回と7回は2番手・アルカンタラが凌ぎ、8回は連投中の岩崎優ではなく及川雅貴を起用する。

しかし、及川は先頭の牧秀悟に8球粘られて四球を与えると、続く宮﨑敏郎は空振り三振に仕留めたものの、動いていた牧には盗塁を許して一死二塁に。ここで阪神は矢野燿大監督が自らマウンドへ。「思い切っていけ。ここまで成長してきたのも1年見てきたし、ここで投げさせてもいいと思って使っているから」と激励の言葉を送ったが、2ストライクと追い込んでからの6球をバックスクリーンに運ばれ、逆転を許してしまった。

結局、9回表をエスコバーに3人で抑えられ、試合は終了。連勝もストップし、神宮での天王山を前に、痛恨の敗戦となった。

7日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』では、矢野監督が珍しく自らマウンドに赴いた場面に注目。解説者の高木豊さんは、「監督も迷っていたんじゃないか?」との見解を示し、「自分自身の迷いを口に出すことで吹っ切ろうとしたのかなとも思う」と主張。同じく解説者の大久保博元さんも、「迷っていたのもあるので、自分に言い聞かせて行ったと思う」と、高木さんの考えに同調した。

また、同日の放送で解説を務めた大矢明彦さんは「ソトの状態があまり良くないのもあって、思いきっていけと言ったのでは」と指摘し、「本塁打になるとは全く考えていなかったと思う」とコメント。監督の判断の結果なので「しょうがない」としつつ、「継投失敗」と続けた。

明日からは神宮での首位攻防3連戦。その大一番を前に、大矢さんは「及川で2点取られたのは結構堪えると思うけど、岩崎の3連投を避けた。それを全部ヤクルトにぶつけるつもりでいる」と主張。結果的に裏目に出た采配を週末の3連戦に生かせるのか、阪神の次戦に注目だ。