(セ・リーグ、DeNA4-3阪神、25回戦、阪神14勝11敗、7日、横浜)


打った瞬間、スタンドインを確信する特大アーチを横浜の夜空にかけた。大山が三回、2年連続20号の大台に乗せる2ラン。打球のゆくえを見つめながら、ゆっくりと走り出した。


「甘く来たボールを一発で仕留めることができました。(伊藤)将司が頑張って投げてくれていたので、援護することができてよかったです」


三回、マルテの適時二塁打で1点を先制し、なお2死二塁。カウント1-1からロメロの甘く入った148キロカットボールを捉えた。左翼・佐野がすぐに追うのをあきらめる完璧な一発だった。


タイトルを争った昨年の28本塁打に続き、2年連続で20発に到達。球団では2004年から6年連続で放った金本知憲以来で、生え抜きの右打者なら04、05年の今岡誠以来。さらに、これで佐藤輝(23)、マルテ(22)、サンズ(20)と20発カルテットが誕生。チームに20本塁打以上が4人いるのは、日本一になった1985年(バース=54、掛布雅之=40、岡田彰布=35、真弓明信=34)以来。『吉兆』となったものの、チームは逆転負けを喫した。


矢野監督は「2死からああいう得点で3点というのは大きかった」と評価しつつ「もっともっと(状態を)上げていってもらいたい。去年、あれだけ打っただけに、本人の中では納得がいかないだろうけど、チームの勝ちのためにも、1本でもどんどん積み上げていってくれたら」とさらなる奮起を求めた。


ヒヤリとする場面もあった。六回先頭でロメロの150キロツーシームが左脇腹付近を直撃。その場に倒れこむと立ち上がれず、トレーナーだけでなく矢野監督と井上ヘッドコーチもベンチから駆け寄った。場内が騒然とする中、一度はベンチに下がったが、グラウンドに戻ってプレー続行。痛みに耐え、勝利への執念を示したのだが…。


この悔しさは8日からの首位ヤクルトとの直接対決で晴らすしかない。今季、神宮は打率・333、2本塁打、8打点と相性は悪くない。8試合連続安打と好調の主将が虎を引っ張っていく。


■データBOX


◉…大山が2年連続の20号に到達(昨年は28発)。球団では2004-09年の金本知憲(34、40、26、31、27、21)以来。生え抜きの右打者では04、05年の今岡誠(28、29)以来。


◉…これで大山(20)、佐藤輝(23)、マルテ(22)、サンズ(20)とチームに20発以上が4人。これは1985年のバース(54)、掛布雅之(40)、岡田彰布(35)、真弓明信(34)以来。