(セ・リーグ、DeNA2-5阪神、23回戦、阪神13勝10敗、5日、横浜)


横浜の夜空に高々と舞い上がった白球は、風にも乗って右翼フェンスを越えた。大山がソロを含む3安打2打点。4番としての仕事を果たした。


「打った感触はよかったので、入ってくれると思って走っていました。結果的にホームランになってくれてよかった」


4-0の三回2死、フルカウントから坂本のチェンジアップを逆方向へはじき返した。3試合ぶりの一発は貴重な追加点となる19号ソロ。2年連続の大台に王手をかけた。


「まずは塁に出ようという気持ちがあった。(三回の攻撃を)3人で終わらなかった、打点がついたっていうところはいい結果だった。チームにとっても自分にとっても大きな一本だった」



一回には近本と中野の連打で1点を先制し、なおも1死二塁で左前適時打。ここまで得点圏打率は・203も、ここ6試合では同・375(8打数3安打)と勝負強さを発揮している。八回には中前打で9月3日の巨人戦以来、今季7度目の猛打賞。自身が負傷離脱中に4番も務めた佐藤輝が久しぶりの快音を残した試合で、『現4番』が存在感をみせた。


矢野監督は「一本、一本を調子上げる一本にしてほしい。自分の中で『これや!』というのをつかんでくれるように。逆方向にもいい感じには振れ出してはいる。そういうのもプラスにしていってもらえれば」と爆発に期待を込めた。


「1試合、1試合、なんとか全員で勝とうと思ってやっている。厳しい試合が続くと思うので、もう一回、チーム一丸となって頑張りたい」


大山は横浜の虎党の前で力強く意気込んだ。主将として虎を頂点へと連れていく。


★V吉兆85年以来大山が今季20号に王手をかけた。ここまで阪神では佐藤輝(23本)、マルテ(22本)、サンズ(20本)の3人がシーズン20発以上をマーク。4人が大台に到達すれば、日本一に輝いた1985年のバース(54本)、掛布雅之(40本)、岡田彰布(35本)、真弓明信(34本)以来36年ぶりとなる。