(セ・リーグ、阪神1-0中日、23回戦、阪神13勝8敗2分、3日、甲子園)

ガンケルは1-0の九回を締めた守護神を笑顔で出迎えた。先発して七回途中まで4安打無失点と踏ん張り、9勝目をゲット。お立ち台ではマルテ、スアレスとの『助っ人トリオ』で喜びを分かち合った。

■緩急自在にゴロアウト11個

「勝たないといけない試合。ゴロを打たせて、守備に取らせる自分のピッチングできてよかった。この勝利は(チームに)大きいと思います」

緩急自在の投球でゴロアウトは11個。二回、2死一、二塁のピンチは木下拓をスプリットで三ゴロに。三回、2死二塁から大島をツーシームで遊ゴロに打ち取った直後に、マルテの先制弾が飛び出した。

「マルテはすごくいい調子。ラインアップにいるだけで、相手ピッチャーが怖がる存在。彼がいると、他の打者も生きる。マルテ、ハンパないって!!」

■投手4人で2戦連続無失点リレー

お立ち台で、日本語をまじえて打のヒーローをたたえると虎党も拍手喝采。まさに、助っ人でつかんだ勝利だった。ガンケルは七回1死から福田に右前打を許して降板。20歳左腕の及川が自らの暴投で三進させたピンチを切り抜けると、八回は岩崎が抑え、九回はスアレスが3人斬り。前日の高橋の完封に続く2試合連続となる無失点勝利は、投手4人のリレーで成し遂げた。

ガンケルは「中継ぎ陣にいい投手がそろっていて、すごく楽に投げられる。特にスアレス選手。彼が後ろ(抑え)にいると、思い切って投げることができる」と、9勝のうち5勝で援護を受けた守護神に感謝した。

■将最敬礼「流れつくってくれた」

もちろん、先発で試合をつくったガンケルの快投があればこそ。矢野監督は「ゴロを打たせて、しっかり打ち取るという、ガンケルらしさが出ていた。あそこ(七回途中)まで流れをつくってくれた投球は大きかった」と頭を下げた。

球団では青柳、秋山(ともに10勝)に続く3人目の2桁勝利に王手をかけた。11勝でハーラートップの高橋(巨)を2差で追いかけるが…。

「絶対に勝たないといけない試合が続くので、自分の個人的な結果よりも1試合1試合の勝利を見据えて、全力でがんばっていきたい」

個人記録は二の次。頼もしい助っ人右腕は泣かせるせりふで締めくくった。