10月11日のドラフト会議を2週間後に控えた27日、プロ志望届提出期限を迎えた。阪神の投手陣、野手陣の年齢分布(外国人、育成選手除く)を一覧にまとめ、補強ポイントを分析した。投手陣は先発、中継ぎともに即戦力左腕の補強が最優先課題。充実の野手陣は次代を担う強打の高校生獲得の好機と見る。
【投手編】
左腕不足が明らかで先発補強が急務。今季、先発ローテーションで回っている左腕は伊藤将のみ。来季候補として今季は中継ぎ起用された及川が控え、高橋も復調気配だが、まだ計算できる状況とは言えない。
今年の大学生の即戦力候補左腕では筑波大・佐藤隼輔の総合力が高い。楽天・早川タイプの本格派。1メートル82、80キロの体格から最速152キロを誇り、和田豊テクニカル・アドバイザーも「内、外に投げ分ける制球力もある」と評価。9月11日の東海大戦で右腹部を負傷したが、各球団の高評価に陰りは見えない。また最速150キロの西日本工大・隅田知一郎はカーブ、スライダー、カットボール、スプリットなど多彩な球種を操る実力派。この2人に最速151キロの関学大・黒原拓未が続く。
社会人では最速153キロのJR東日本・山田龍聖だ。18年夏の甲子園大会3回戦では高岡商のエースとして、藤原(ロ)、根尾(中)擁する大阪桐蔭打線から11奪三振の高卒3年目左腕。最速150キロの三菱重工West・森翔平は完成度が高い。3月25日の阪神2軍戦で3回1安打3奪三振無失点。平田勝男2軍監督に「ドラフトの目玉になる」と言わしめた。
即戦力左腕以外では市和歌山・小園健太、高知・森木大智、ノースアジア大明桜・風間球打、天理・達孝太ら高校生が上位候補だ。
【野手編】
日本人選手30人中27人が30歳以下と充実した布陣を誇る。直近6年間で野手1位指名4人という、ドラフト戦略のたまものだろう。ただ戦力が整っている今こそが、次代の主力野手を育成しておく好機とも言える。今年は昨年の佐藤輝、牧(D)のような目玉候補こそ不在ながら、阪神が狙うなら、強打の高校生がターゲットだ。
今夏の甲子園大会で2本塁打を放ち、チームの準優勝に貢献した智弁学園・前川右京は高校通算37本塁打を誇る左のスラッガー。名門で入学直後の1年春から公式戦に出場し、同夏からは4番を任された。高校の先輩である岡本和(巨)を目標に掲げる逸材だ。