難敵を降板へと追い込んだ。1-0の8回1死二、三塁、中野はカウント2-2から菅野の低めフォークボールをすくいあげた。打球は左中間を破る二塁打となり2者が生還。4試合ぶりの適時打は相手エースをKOした瞬間でもあった。


「初回にバント失敗で走者を進められず嫌な雰囲気だった。あそこは追加点を取って(高橋を)楽にする意味でもよかったです」


3回2死から三塁後方にポテンと落ちる13打席ぶり安打となる二塁打と合わせ複数安打。8回の三盗で近本との差を2に広げるリーグトップの24個目の盗塁も決めたが、思ったほど笑顔がはじけなかったのは、第1打席での送りバント失敗を反省していたからだ。初回、近本の二塁打で無死二塁。初球のバントは捕邪飛となり、後続も倒れて無得点に終わった。前回19日の菅野との対戦では初回に近本の二塁打の後、きっちりと犠打を決めて1点を先制しただけに、つなぎの役割がいかに重要かは理解していた。


それでも切り替えの早さも持ち味の一つだ。「終わったことなので、弱気になることなく攻めていった結果がよかったのかな。菅野さんは全ての球種が良くて日本を代表する投手なので、自分が引いていれば打てないので積極的にいきました」。


矢野監督からも「追い込まれながらも素晴らしい仕事をしてくれたが、反省としてはやっぱり初回、しっかり攻撃のリズムをつくっていきたかったっていうのはある」と反省を促された。


大事な東京ドーム3連戦で、初戦は同点の9回1死満塁で丸の三遊間のゴロにダイブして素早い本塁送球でサヨナラ負けを防ぐスーパープレー。そして、この日はバットで勝利をたぐり寄せた。虎の6位新人の攻守が、三つどもえの優勝争いを動かしている。