「阪神5-2中日」(1日、甲子園球場)


バットが体に巻きついた。完璧な手応えにゆっくりと歩き出す助っ人。高く放物線を描いた白球は、左翼スタンドに突き刺さった。3連敗で迎えた一戦。マルテの来日初の20号3ランで勝利をたぐり寄せた。


「しっかりとゾーンにきた球だけ(スイングする)というのは意識していた。チャンスでチーム的にもいい打席だったので、点差を広げられてよかった」


大満足の打席は1点リードの五回2死一、二塁。左腕・笠原の高めに浮いた127キロカットボールを強振した。9月24日の巨人戦以来、6試合ぶりの一発。来日3年目で初めて節目の数字に到達した。


ここぞの場面で頼りになる。本塁打数は、佐藤輝(23本)に次いで、サンズ(20本)と並んでチーム2位だ。球団でシーズン20発トリオの誕生は、2004年に金本、今岡、アリアスが達成して以来、17年ぶりとなった。


突破口を切り開いたのもマルテの快音だった。先頭の四回はチーム初安打となる左前打を放ち、大山の先制2ランにつなげた。


今シーズン初となった甲子園でのお立ち台。歓喜に沸く中、最後には「1、2、3」と自ら音頭を取って、決めポーズのラパンパラをさく裂させた。残り19試合。頂点だけを見据えて戦っていく。


◆阪神・シーズン20本塁打以上3人◆…佐藤輝23、サンズ20に次いで、マルテが来日3年目で自身初、今季チーム3人目の20号。2004年(金本知憲34・今岡誠28・アリアス25)以来、17年ぶり。なお、チーム最多は4人で76年、79年、85年の3度記録している。